旬の食材は食べて美味しいだけではなく、栄養もたっぷり。本コーナーでは旬の食材の魅力をご紹介します。旬のものをたくさん食べて、体の内側から健康に、きれいになりましょう!
文/おと週Web編集部、画像/写真AC
トロサクな食感がたまらない!! 栄養満点のつるむらさきは夏から初秋が食べ頃
夏から初秋にかけて見かけることが多い葉もの野菜のひとつが「つるむらさき」。最近では、通年流通しているのですが、栄養価が高く、安価になるのは7月~9月の終わり頃までです。
見た目はほうれん草によく似ていますね。そのため、インディアンスピナッチ(インドのほうれん草)とも呼ばれています。
少し粘り気があり、モロヘイヤに似た食感と独特の香りが特徴です。また、太めの茎のサックリとした歯応えがたまらないという人も多いのでは? 新鮮なものは生食も可能ですが、火を通したほうがトロサクな食感を楽しむことができます。
おひたしに、みそ汁の具に、炒め物に、天ぷらにと、さまざまな料理に使用することができますが、香りが気になる場合は、出汁を濃いめにしたり、少し濃いめの味付けにすると気にならなくなるはずです。
大きく育つと紫色の実をつけますが、その実は染料としても使用されます。そこから、つるむらさきという名前がつけられたと言われています。
美味しいつるむらさきの見分け方
葉にツヤがあり濃い緑色をしていて分厚いもの、葉先までピンとしてしおれていないものを。また、茎の切り口がみずみずしく、変色や乾燥していないものを選びましょう。
乾燥に弱いため、袋から出さずに野菜室に保存しましょう。ただし、長期の保存はできないため、すぐに食べない場合はサッと茹でて冷凍保存を。
つるむらさきの注目栄養素
つるむらさきは非常に栄養価の高い緑黄色野菜です。特に、目や粘膜や肌の健康を守り、免疫力アップをサポートするβカロテンが豊富です。βカロテンは体内で必要なぶんだけ強い抗酸化力を持つビタミンAに変換されるという非常に優秀な栄養素です。
また、野菜でありながら、カルシウムを豊富に含んでいることもつるむらさきの大きな特徴。100gあたりに含まれるカルシウム量はなんと牛乳よりも多いのです。他に、美肌づくりに欠かせないビタミンCもたっぷり。女性には特に嬉しい栄養素が豊富に含まれた野菜です。
注意点をひとつ。つるむらさきにはシュウ酸という成分が多く含まれています。これは灰汁(あく)の成分で、鉄の体内への吸収を妨げます。大量に食べすぎなければ問題はありませんが、病院から貧血改善のための鉄の薬剤を処方されているような人は、念のため、炒め物やお味噌汁の具にしたりする前に、茹でこぼし、水にさらして灰汁抜きをしてから食べるようにしましょう。