旬の食材は食べて美味しいだけではなく、栄養もたっぷり。本コーナーでは旬の食材の魅力をご紹介します。旬のものをたくさん食べて、体の内側から健康に、きれいになりましょう!
文/おと週Web編集部、画像/写真AC
旬の時期には、甘味や旨味が強く、栄養価も高まる
1年を通じて手に入るにんじんですが、本当の旬は10~12月。旬の時期のものは美味しいだけではなく、栄養価もグンとアップします。
にんじんは、原産地であるアフガニスタン周辺から東に向かって普及した「東洋にんじん」と、西に向かって普及した「西洋にんじん」の2種類に大別されます。東洋にんじんは赤色で細長く、西洋にんじんはオレンジ色で太く短いと、見た目が大きく異なります。
東洋にんじんが日本に伝来したのは江戸時代、西洋にんじんは明治以降と言われています。現在、圧倒的に流通量が多いのは西洋にんじんです。東洋にんじんも生産されていますが、育てるのに手間がかかることから流通量は多くありません。
東洋にんじんに属するのは、お雑煮や紅白なますなどの正月料理の彩り野菜としておなじみの「金時にんじん」です。
意外かもしれませんが、にんじんはセリ科に属する野菜で、セロリやパセリ、セリなど、香りの強い野菜の仲間なのです。ちょっとピンとこないかもしれませんが、にんじんの葉を食べるとその強い香りから、香味野菜であることがわかると思います。
昔は、ピーマンと並んで子どもの嫌いな野菜の代表という不名誉なイメージがあったのですが、近年は品種改良が進んでクセのある香りが少なくなって糖度も増しています。そのため、今はにんじん嫌いの子どもは減っているとか。
美味しいにんじんの見分け方
濃いオレンジ色で表面にひび割れなどがなく、なめらかでツヤがあるものを。葉の切り口も要チェックです。芯の部分が細いもののほうが柔らかな食感で旨味が強い傾向があります。ちなみに、東洋にんじんの場合も同様です。
にんじんの注目栄養素
にんじんの栄養価は野菜のなかでもトップクラス。特に注目すべきはβカロテンとルテインの含有量の豊富さです。
皮膚や粘膜の健康を維持するのに必須のβ-カロテンの含有量は緑黄色野菜のなかでも突出しています。βカロテンは油との相性が良いため、油で炒めたり、かき揚げなどにすると吸収率が高まります。また、皮の近くに多く含まれているので、栄養価を考えるなら皮付きのまま食べましょう。
他にも、ブルーライトなどの有害な光から目を守ってくれるルテインも豊富。また、ルテイン不足になると目の老化が進行し、黄斑変性や白内障などにかかるリスクが高まります。スマホやPC画面を見る機会が多い人はにんじんをたっぷり食べましょう!
葉にもビタミンやミネラルがたっぷり。葉付きにんじんを発見したら、即購入を。葉の部分は、天ぷらや炒め物、おひたしなどにすると美味です。