旬の食材は食べて美味しいだけではなく、栄養もたっぷり。本コーナーでは旬の食材の魅力をご紹介します。旬のものをたくさん食べて、体の内側から健康に、きれいになりましょう!
文/おと週Web編集部、画像/写真AC
秋口はさっぱり、冬になると甘く、もっちり食感に
通年スーパーで販売されているれんこんですが、本当の旬は秋から冬にかけてです。秋に出荷されるものは「新れんこん」と呼ばれ、柔らかくさっぱりとした味わいが特徴です。そして冬に近づくにつれ、粘りが強くもっちりとして食感になり、甘味が強くなっていきます。
れんこんは蓮(はす)の地下茎が肥大化した部分で、漢字では蓮根と表記されますが、正しくは根っこではなく、茎の部分ということになります。
生産量の全国1位は茨城県で、霞ヶ浦周辺には蓮田(はすだ)が広がっています。泥の中で成長するため、収穫する時はホースから水を出しながら水圧によって掘り起こす方法と、水田から水を抜いてから鍬(くわ)で掘り出す方法のいずれかで収穫されます。
おせち料理の食材として使用される理由は、れんこんが穴を通して先を見通せることから「将来の見通しが良くなる」ということで、古くから縁起が良い野菜とされているからです。また、種が多いことから「子孫繁栄」を象徴する野菜とされています。
れんこんは切るとすぐに茶色に変色するほどアクの強い野菜なので、アク抜きを必ずしなくてはならないと思っている人も多いかと思います。しかし、アクは体に害があるわけではないため、アク抜きをしなくても問題はないのです。
ただし、アクには微妙なえぐみや苦みがあるため、天ぷら、酢の物、サラダのような素材の味を生かした薄味で調理をするような場合はアク抜きすることをお薦めします。いっぽう、煮もののような濃い味のものはアク抜きしなくても問題ありません。
美味しいれんこんの見分け方
太く、丸みのある形状で、皮に黒ずみや色むらや傷が少ないものを。持ってずっしりと重みを感じるものは水分を含み、みずみずしく新鮮な証拠です。また、節の部分が太めのもののほうが美味です。切り口から穴の中を確認できる場合は、穴の中が変色していないものを選びましょう。
れんこんの注目栄養素
アクには栄養素がたくさん含まれていますので、栄養価を高めたかったらアク抜きなしで食べるのがお薦めです。アクの成分であるポリフェノールの一種であるタンニンには、強い抗酸化力があり、動脈硬化を防いで生活習慣病予防にも力を発揮します。また、下痢止め作用やメラニンの発生を抑制する美白効果も持ちます。
また、ビタミンCやカリウムも豊富ですが、アク抜きのために水にさらしてしまうと多くが水に溶け出してしまいます。
もうひとつの注目点は、れんこんの甘味成分であるオリゴ糖です。この糖は腸内の善玉菌のエサになることで善玉菌を増やす働きを持ちます。腸のコンディションを整えれば、便通が改善し、免疫力も高められます。風邪をひきやすい、便秘や下痢を繰り返すなどの腸の不調に悩む人には特におすすめの野菜です。
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