富山、埼玉、兵庫、そして東京。一度は食べてみたいカレーの名店が1軒で楽しめるという贅沢なお店が、東急プラザ渋谷に期間限定オープン! その名も「もしも食堂〜WORLD CURRY FESTA〜」。2022年11月18日から2023年3月31日まで楽しめるカレーとは一体!? 実食レポ付きでお届けします。
画像ギャラリー“音楽界のグルメ番長”小宮山雄飛さんがセレクト
東京からなかなか足を運べない。なんなら地元でもちょっと億劫に思える場所にある。そういう店に激ウマカレーが潜んでいる。
そんな地方の名店3軒をセレクトかつ交渉の末、『もしも食堂』に集結させたのが、“音楽界のグルメ番長”ホフ・ディランの小宮山雄飛さん。
カレーのレシピ本を出すほどカレー好きでもある小宮山さんが「ここ数年気になっていた!」というのが地方の名店。しかも「ご当地カレー」ではなく「地方にある世界のカレー」。
自身が食べ歩いた結果セレクトした店は3軒(このあとご紹介!)、それに自身が渋谷で営業していたレモンライス専門店と合わせて計4軒。これらのお店のカレーが食べられるのだ。
ちなみに、『もしも食堂』とは、その名の通り「もしも高級店の有名シェフがカジュアルレストランを手掛けたら」「もしも、メニューのないお店がメニューを考えるなら」というコンセプト。さまざまなシェフや飲食店などが期間限定で料理を提供するシェアキッチンだ。
では、気になる小宮山さんセレクトの名店を紹介しよう。
富山の“ガチパキスタンカレー”と埼玉のランチ営業店
まず1軒目。富山県射水市にあるパキスタンカレー店『ザイカ・カレーハウス』。実は射水市はパキスタン人が多く住む地域。それもあってカレーは、パキスタン人がパキスタン人のために提供している、“ガチ中華”ならぬ“ガチパキスタンカレー”。
その中でも超有名店なのがこちら。小宮山さんが「レジェンドシェフ」と一目置くムハンマド・サキラインさんが作る本場のカレーは、射水とパキスタンスタイルをかけ合わせた「イミズスタン」と呼ばれ、そのスタイルを確立。富山駅から車で30分かかる住宅街にありながら、全国のカレーマニアがこぞって訪れている。
『もしも食堂』で提供されるカレーは「マトンカラヒ」(マトンの炒め煮カレー/1265円)。じっくり炒めた大量の玉ねぎと、専用にミックスしたオリジナルマサラで作られるパキスタンを代表するカレーだ。
2軒目は、埼玉県大宮市の『紅茶屋』。紅茶の輸入業を営む店主が、ランチのみ営業。大宮駅からバスで10分、さらに歩いて10分という立地ながら、完全予約制1日5名の枠が1ヶ月先まで埋まっているほどの支持を集めている。
素材の味を生かしたカレーは、アーユルヴェーダの考えをベースにしているだけあり、体にも優しいヘルシーな味付け。今回提供される「スリランカチキンカレー」(1260円)はその味わいを十二分に楽しめるひと皿だ。
ナスのモージュ(和え物)やポルサンボール(ココナッツのふりかけ)、パパダン(豆のせんべい)といった副菜を少しずつ混ぜていくスリランカスタイルで食べるのが最適解。
兵庫を代表するタイカレーと地元・渋谷発の新感覚カレー
3軒目は、兵庫県芦屋市の『バーンタイ』。関西でタイカレーといえばココ! と挙げる人が多く、ランチ時には行列ができる超人気店である。
タイ人シェフによるオリジナルレシピのタイカレーは、生の野菜とハーブを使った逸品。リッチな味わいでジャスミンライスとの相性も抜群だ。
『もしも食堂』では「ゲーン ペッ」(1265円)というココナッツミルクのレッド海老カレーを提供。数種の赤唐辛子などのスパイスに、レモングラスやコブミカンといったハーブをブレンドしている。
そして、4軒目は地元、東京・渋谷から参戦する『Lemon Rice TOKYO(レモンライス東京)』。渋谷から新たな食の名物を! の思いから、南インド料理のレモンライスをベースに、独自のアレンジを加えた新感覚のカレー。
1坪のテイクアウト専門店としてオープンし、話題を呼んだ。その実力は、弊誌の渋谷特集で紹介したことからも証明済み。現在はオンラインショップや催事・フェスなどの出店を中心に展開している。
まずはそのまま、そのあとは玉ねぎのアチャールや大根のピクルス、パクチー、エキゾチックチリソース(辛味)を混ぜて味変を楽しむのがオススメの食べ方だ。
この日だけの特別プレートで全店をちょっとずつ実食
実はオープンに先駆けて、これらのメニューがひと皿に盛られたワンプレートを実食した。
中央に鎮座するのは、レモンライスとジャスミンライス。その周りを囲むのは副菜。レモンライス側に大根のピクルス、玉ねぎのアチャール、エキゾチックチリソース。スリランカカレー側にシーニサンポール(玉ねぎの和え物)、ナスのモージュ、ポールサンポール。
左側は上が『バーンタイ』のゲーンペッ、下が『ザイカ・カリーハウス』の「マトンカラヒ」。右側は上が『レモンライス東京』の「チキンカレー」、下が『紅茶屋さん』の「スリランカチキンカレー」という錚々たる顔ぶれ。贅沢の極みである。
ひとしきり写真を撮り、少しずついただく。まずは「スリランカチキンカレー」。カレーの美味しさに舌鼓を打っていたら、じわじわと辛さがやってきた。辛いのがあまり得意ではないので、思わずヒーッと口をつく。しかしこのスパイシーさが食べすすめるうちにどんどんクセになっていった。
続いて口にしたのが「ゲーンペッ」。ハーブの爽やかさとココナッツの香りにふっとやすらぐ。と思ったら、赤唐辛子を筆頭にスパイスの辛さがじわーり。結果的に4種の中では一番マイルドだったものの、辛みはしっかりあった。
3口目にパキスタンカレー「マトンカラヒ」をパクッ。トマトの酸味や甘みを感じつつ、コク深いマトンの旨みが口の中を支配する。個人的には一番好み! 実際は付け合わせにライタ(ヨーグルトサラダ)が付くそう。絶対に合う!
最後は、「レモンライス」と「チキンカレー」。『Lemon Rice TOKYO(レモンライス東京)』は、何度か食べたことがあり、久々の邂逅。うん、やっぱり美味しかった。レモンの爽やかな風味に、もち麦の食感がアクセント。マイルドなチキンカレーとのマッチングが絶妙でスプーンを進ませるが、いかんいかん。
せっかくなら、名店のカレーや副菜を混ぜ混ぜしてみたい……! とあらゆる組み合わせを試してみた。中でも「ゲーンペッ」と「マトンカラヒ」がフィット。タイのココナッツの香りに、パキスタンのトマト&パプリカの甘みがやってきてなかなか美味。これぞ夢の組み合わせ。カレー界のBI砲や!(例えが古いか)
ちなみに、実際にカレーソースだけの追加も可能。今回自分がやったようなこともできる。あなたが思う夢のあいがけを試してみてほしい。ほかには、副菜が単品で用意されている。こちらも今回参加しているお店のレシピを再現しているので、チェックすべし。
「『もしも食堂』さんはワインのセレクトがしっかりされているので、まず副菜とワインで一杯やって、〆にカレーを食べるのも楽しいですよ」と、お酒好きの小宮山さんらしい、蕎麦前ならぬ“カレー前”から楽しむスタイルを教えていただいた。
こちらの期間限定ショップは2023年3月31日まで。期間が前期後期で分かれており、2023年1月25日からカレーが入れ替わる。これは何度も通わなきゃ。
■東急プラザ渋谷
[住所]東京都渋谷区道玄坂1-2-3 渋谷フクラス内
[電話番号]03-3464-8109(代表/11時〜20時)
[営業時間]11時〜23時(飲食店舗)
[交通]JR山手線ほか渋谷駅西口連絡通路「渋谷フクラス歩行者デッキ」直結
取材・撮影/編集部えびす
画像ギャラリー