斬新な調理スタイルの「バズレシピ」や「至高のレシピ」で話題のリュウジさんは、お酒を飲みながら料理をするというYouTube動画が人気の料理研究家です。レシピの公開だけでなく、Twitter「リュウジの酒場探求記」では気になる飲食店の紹介も。SNSなどの総フォロワー数が760万人以上という「料理のお兄さん」が、感性の赴くままに歩いて街で見つけた「自分史上最高にウマくて、楽しく飲める店」について本音で語ります。
第8回は東京・銀座の「鉄板焼 Sublime(スブリム)銀座店」です。
最上級2万3000円コースにはアワビ、伊勢海老、A5黒毛和牛
ひときわ華やぐ土曜の夜の銀座。多くの人が行き交う4丁目交差点にほど近い路地裏を進み、お目当ての場所に到着。伝説のバーも入っているというこちらのビル6階のドアを開けると、カウンター席前の鉄板で、シェフが華麗な手さばきで焼き上げる優雅な光景が広がっていました。
ふだん、銀座にも鉄板焼の店にも積極的に出向くことはないけれど、この日は特別。日頃、仕事に精を出している自分へのたまのご褒美として、フレンチの鉄板焼レストラン「Sublime」で「Premium course(プレミアムコース)」(2万3000円税込、サービス料10%)を予約、この日を心待ちにしていました。
こちらは、2018年から3年連続ミシュランを獲得している東京・麻布十番「Sublime」が監修しているとのこと。いやが上にも、期待が高まります。
キャビアやズワイガニの目にも鮮やかな前菜に次いで、「A5黒毛和牛ハンバーグ」が登場。最高級の和牛を叩き、ほぼつなぎを使わずに焼かれたハンバーグに、フルボディの赤ワインを煮詰めた濃厚なソースをまとい、申し分のない美味しさ!ハンバーグというより、肉そのものをいただいているような肉感がスゴイ。おススメの芳醇な赤ワインとのマリアージュも最高!
随所に光るフレンチの巧みな技
さらに、活アワビの肝醤油バター焼き、活伊勢海老と、鮮度抜群の魚介が目の前で豪快に焼かれます。伊勢海老に添えるアメリケーヌソースも、鉄板で海老の殻を炒めて作っており、軽快な手さばきに見入ってしまうほど。フレンチの巧みな技が随所に光っています。白ワインをゆっくり傾けながら、いただきます。
メインの最後に出されたのは、「A5 黒毛和牛シャトーブリアン」。実は僕、サーロインとか上等な肉があまり好きではありません。上等なほど脂身が多いから、少し食べると満足して、ステーキなんてとても食べ切れない。
しかし、こちらは最高級ランクの黒毛和牛のフィレ肉だけあって、肉質がとても柔らか。とろけるような舌触りと気品高い香りが、口の中に広がります。イギリス産のシーソルトとわさびで、シンプルにいただくのがベスト。