出雲地方伝統の工芸品「福こづち」
島根県出雲地方には、この地方独特の伝統的な工芸品がある。
「福こづち」である。出雲大社の御祭神は大国主大神様。わかりやすくいうと、だいこく様である。そのだいこく様が持っているものといえば小槌。その小づちにちなんだ縁起物が福こづち。
島根県では、退職記念や長寿のお祝い、慶事の贈り物としてポピュラーな品なのだ。その福こづちを今も手作りしているのが『大社木工』。
この福こづちの製作で大事なのは、その欅の年輪の中心がぴったり福こづちの中心に合わさり、なおかつその左右が均等であるということ。これがほんの少しでもズレたらば、それはもう福こづちとして商品にはならないのだ。
■「株式会社大社木工」
https://www.taishamokko.com
※一般見学などはしてませんので、購入は上記サイトからどうぞ。
そんな出雲の縁起物・福こづち。泊まった旅館のみやげ物売り場でも、堂々と大きなスペースを割いて販売されていました。
陶器に福こづちと、食好きな『おとなの週末』には珍しく、食べられない逸品の紹介が続きましたが、お待ちどうさまでした! 食べられる伝統工芸といいますか、食べられる芸術品を紹介いたします!
松江藩七代目当主・松平治郷は、松平不味という号でも知られる江戸時代を代表する茶人。その影響から、松江では茶席で用いられる和菓子にも長い伝統がある。そんな和菓子の中でも、職人の技術の結晶と言われるのが上生菓子。
その上生菓子の現代の名工が伊丹二夫氏。伊丹氏の実際の生菓子創作を見て、そしてお茶とともにいただける場所が、松江の歴史を伝える博物館『松江歴史館』の中にある喫茶スペース『喫茶きはる』である。
日本庭園に眺める店内でいただいた上生菓子は、今年の干支・うさぎ。
上生菓子は数種の中から選べるので、うさぎのような生きとし生けるものをモデルにした生菓子を食べるのは「あまりにしのびない」というみなさまは、躊躇せず口に運べる、実はこれぞ松江和菓子の王道といわれる「本わらびもち」をどうぞ。
■『喫茶きはる』
[住所]島根県松江市殿町279(『松江歴史館』内)
[営業時間]9時半〜17時(16時半LO)
[休み]月(祝日の場合は翌平日休)
https://matsu-reki.jp/kiharu/
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さて! 最後の最後に個人的におすすめプチ情報!
島根県に旅行をするならば、島根の誇る名湯「玉造温泉」の旅館に泊まることも多いと思います。美肌の湯として名高い温泉に入り、艶々の湯上がり肌状態になったけれど、旅館ご自慢の夕食までちょっと時間が空いちゃった手持ちぶたさ、いや、舌がちょっとしたアルコールを欲している、なんて人も多いと思うんですよね。
そんな時、サクッと短時間、軽く一杯呑める角打ちのできる酒屋さんが、玉造温泉にありました。『玉造酒販』です。
ごくごくフツ〜の、気取った気配まるでなしの酒屋さんの外見がまずイイ! そして中に一歩入ると清潔な壁沿いのカウンター。
島根の酒の回でも紹介した絶品の日本酒を作る『李白酒造』の日本酒を小さなボトルで取り揃えております!
李白酒造の酒蔵見学までは行けないけど……という方も、玉造温泉に泊まったなら、ここでど〜ぞ一杯!
■『玉造酒販』
[住所]島根県松江市玉湯町玉造1197-2
[営業時間]11時〜19時
[休み]不定休
神の集う地・島根。これからは神様だけじゃなく観光客までもが集うと見た。そのくらい我々を誘い、呼び寄せる魅惑の要素が詰まっているのだ!
取材・撮影/カーツさとう