これぞ“用の美”と唸る素晴らしき陶器たち
続いて、『袖師窯(そでしがま)』。
宍道湖畔からも近い松江市袖師町にあるこの窯元。工房を1階に構えるその建物はなんと築百年以上。その2階にある展示・販売所に階段で上がれば、お〜バラエティーに富んだ、まさしく「これが“用の美”だ!」と唸る陶器の数々。
使えば使うほど、作り手の情熱と愛情を感じながら、持ち主と手になじんでくるような皿やコーヒーカップ。伝統とモダンが融合した、日用品といえど、自分にとってある意味特別な日用品になるであろう品々がここで待っている。
毎日使いたい。そしてそんな毎日使っている陶器の中にときめきを感じたい、そんな方はぜひとも『袖師窯』へ。
■『袖師窯(そでしがま)』
[住所]島根県松江市袖師町3-21
[営業時間]9時〜18時
[休み]日
[SNS]https://www.facebook.com/sodeshigama
文様から沸き立つ力強い陶器の“使える!”逸品
さて。何度となく来日し、民藝運動に大きく関わった英国人陶芸家がバーナード・リーチ。そのバーナード・リーチから7回に渡り直接薫陶を受けた陶芸家・福間琇士氏が代表を勤めている窯元がある。
『湯町窯』である。
バーナード・リーチが福間氏に伝えたのはスリップウェアという技法。水を混ぜて柔らかくした化粧土を、スポイト状の道具から絞り出すようにして文様をつけていく技法である。
スリップウェア技法を用いて作られた湯町窯の陶器は、なにより力強い。太古から伝わる原始のパワーのようなオーラが、その独特のうねるような文様から沸き立ってくるようである。
湯町窯にはもうひとつ。福間氏がバーナード・リーチから勧められて作り、今では窯のベストセラーとなった品がある。「エッグベーカー」だ。
直火にかけられて電子レンジでも使用可能。そのネーミング通りに目玉焼きが作れるのはもちろん、アヒージョなども作れる、このエッグベーカー。毎朝といわず毎食使いたくなる、まさに“使える!”逸品である。
■『湯町窯』
[住所]島根県松江市玉湯町湯町965
[営業時間]8時〜17時、土・日・祝9時〜17時
[休み]12月30日〜翌年1月2日