肉巻きをケチャップではなく、塩で食べるワケとは
食欲が刺激されたところで、どんどん注文。「豚バラ肉のチーズ巻」(770円)はしっかり焼き目のついた豚バラ肉と色鮮やかなピーマンのコントラストが美しく、中からトロ~リ溶け出すチーズが三位一体となって、絶妙なバランスで口の中に広がります。
肉巻きにはケチャップをつけるのかと思いきや、塩が添えられています。食べて納得、バラ肉の脂身に塩が絡んで甘味さえ感じられ、さらにピーマンの苦味をチーズと共に和らげて食べ応えアリ。
他にも、ニラ玉や回鍋肉などをいただき、〆は、カレーライス。小間切れ肉と玉ネギだけのシンプルな仕上がりですが、カレーソースに溶け込んだ濃厚な味わいは、やみつきになる美味しさ!
他にも、皮から手作りしているという餃子を食べたかったのですが、売り切れで断念。早速、また行かなくちゃ。
どれも素朴な料理なのに、圧倒的な特別感!
いつも食べている素朴な料理が、こちらではどれもみな圧倒的な特別感があります。「なんでこんなにウマいんだ!?」と、しばし、頭を抱え込んでしまうほど一品一品が、強烈な印象を残しました。言葉にできない美味しさの秘密は、考えれば考えるほど不思議な感覚に囚われ、惹きつけてやまない魅力があります。
僕はふだん店で食べながら、作り方のあらましの見当がつくのですが、こちらはかなり難しい。それこそ、奇をてらわず、素材に忠実に向き合い丹精込めて作られている正統派の証(あかし)でしょう。心底、料理が好きだからこそなせる業(わざ)でとても共感できました。それゆえ、全般的に味付けの系統が僕に似ているような…。
百聞は一見に如かず。ぜひ、店で味わってみることをおススメします。
『居酒屋 君の席』の店舗情報
〔住所〕東京都墨田区東駒形4-21-2
〔電話〕03‐6240‐4339
〔営業時間〕17時~翌0時30分(LO23時30分)
〔休日〕不定休
〔交通〕都営浅草線本所吾妻橋駅A2出口から徒歩1分
※新型コロナウイルスの感染拡大等により、営業時間やメニュー等に変更が生じる可能性があるため、訪問の際は、事前にお店に最新情報をご確認くださいますようお願いいたします。
リュウジ
料理研究家。1986年、千葉市生まれ。Twitter やYouTubeで日々更新する料理動画やレシピが、「簡単に爆速で美味しく作れる」と大人気。YouTube チャンネル「料理研究家リュウジのバズレシピ」の登録者数は357万人で、SNSを含めた総フォロワー数は790万人を超える。Twitter「リュウジの酒場探求記」2022年、定番料理100品のレシピを集めた『リュウジ式至高のレシピ』(ライツ社)で「第9回料理レシピ本大賞」を受賞。2020年、『ひと口で人間をダメにするウマさ!リュウジ式悪魔のレシピ』(同社)に次ぐ2度目の栄誉に輝く。「料理のお兄さん」として自炊の楽しさを広めようと、多方面で活躍している。