ヨコ繋がりと街のグルーヴがクラフトを生む!?
その噂はわりと前から聞いていた。清澄白河でオリジナルのクラフトジンを造る新しい蒸留所――深川蒸留所――の誕生計画が着々と進行しているという話。その成り立ちがそもそも清澄白河らしい。清澄白河で名物ショップ『リカシツ』や『理科室蒸留所』を展開する関谷さんと、『BAR NICO』の小林さん。
『BAR NICO』トンプソンブラザーズのオンザロック 1100円、エンジンオーガニックジンのジンソニック 1000円

設立人ふたりの出会いは数年前から始まった街のイベント(コウトークや深川ヒトトナリ)。お互いを紹介し、街を盛り上げていこうとするものだ。下町らしさもあるのか、この街のあちこちで話を聞いていると、どうもヨコの繋がりが深い。街が好きだし、みんなで育てていこうというグルーヴがある。蒸留所の計画もそんな中から生まれ、見守られてきたとは言えないか。
さらに造るのはクラフトジンだ。クラフトジンのキーはボタニカル。どのようなボタニカルを選んで“深川らしさ”を表現するか。自然と焦点はそこに向かうのだ。新たに出店した『BEER VISTA BREWERY』の古里さんは街に開放感を感じている。「お客様には近所の方も多いですし、新旧入り交じる中で店同士の風通しもいい。空が広いのも気に入っています」。自由なインスピレーションを生かせるクラフトビールというアイテムもどうやら街に合っている。
『BEER VISTA BREWERY』ブランニューポーター/忽布古丹醸造 ハーフ 800円、フリースタイル サンドボックスVol.3/West Coast Brewing ハーフ950円、リパブリュー本生/RePuBrew パイント1300円

新たな動きだけではない。このエリアには以前から小さなブルワリーや都市型ワイナリーもあり、それが街の一部でもある。「昔からの酒場も、ナチュラルワインもクラフトビールも日本酒もあって。互いの店を行き来したり、この街は回遊性が高いんです」とは『フォークウェイズ ブリューイング』の古沢さん。刺激を与え合いながらも自由な雰囲気。それがいい。
『フォークウェイズ ブリューイング』070IPA パイント1200円、069Bitter パイント1100円、064Blueberry Sour Ale グラス950円

みんなに開かれて、地域との交流を大切にしていることでは『深川ワイナリー』も同じだ。目指すは「みんなで造る」醸造所。門前仲町のビルの屋上ではブドウ栽培をしていたり、地元東京海洋大学とともに海中にワインを沈める実験をしているのも興味深い。クラフトならではの“この街らしい個性”。形は違えどそれぞれにそれを追っかけている。清澄白河からますます目が離せそうもない。
『深川ワイナリー 東京』山形県産デラウェア 白2022 2640円、山形県産ナイアガラ スパークリング2022 2640円

撮影/高井潤(BEER VISTA BREWERY、深川ワイナリー)、小島昇(BAR NICO、深川蒸留所、フォークウェイズ ブリューイング)、取材/池田一郎
※2023年4月号発売時点の情報です。
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