かつて「偏差値29」から東大理科二類に合格した伝説の東大生がいました。杉山奈津子さんです。その日から十うん年……現在は、小学生から高校生までを指導する学習塾代表として、心理学から導いた勉強法を提唱しています。その杉山さんが、受験生を持つ親に贈る「言ってはいけない言葉」と「子どもの伸ばす言葉」。近著『東大ママの「子どもを伸ばす言葉」事典』から一部を抜粋し、新学期へ向けて集中連載でお届けします。
値段を見たら高かったので、前言撤回。ありがちだが……
スーパーで、「好きなお菓子を買っていいよ」と言ったときのやりとりです。子どもがウキウキしながらお菓子を選んできても、値段を見たら高かったので、「あ、これはダメ! 別のにして」とダメ出しをしてしまったことはありませんか。
子どもにすれば、最初、なんでも好きなお菓子を買っていいと言われたから選んだのに、自分の好きなものを持ってきたら、否定されてしまったわけです。親は、「なんでも選んでいい」に近い発言をしましたが、実はその中に、「親が認めたものならばいい」という異なるメッセージを、暗に含んでいたわけです。