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矛盾した言葉は、子どもに強いストレスとなる

このようにふたつの矛盾した言葉で、相手を混乱させてしまうことを、「ダブルバインド」といいます。イギリス出身でアメリカの文化人類学者であるグレゴリー・ベイトソン氏が発見したコミュニケーションの形で、「二重拘束」とも呼ばれます。

ほかにも、「早く勉強しなさい」と言ったそのあとすぐに、「そこの散らかした物を片づけなさい」などというのも、ダブルバインドです。同時にふたつのことをやるなんて不可能なわけですから、子どもはどう行動すればいいのかわからなくなり、精神的に強いストレスを感じてしまいます。

私たちは日頃から、意外と頻繁にダブルバインドを使ってしまっているものです。「わからないことがあったら聞きなさい」と言いつつ、実際に聞かれたら、「すぐに人に聞かないで、自分でもよく考えてみなさい」なんてことを言ってはいないでしょうか。

または、「怒らないから言ってみて」と言いつつ、正直に話したら、「どうしてそんなことをしたの」と、しかってしまった経験はありませんか?

評価された子どもは、「そうなのか」と思い、「今後もできるかもしれない」という気持ちになるはずです。

マンガと文/杉山奈津子(すぎやまなつこ)

杉山塾代表。1982年、静岡県静岡市に生まれる。静岡雙葉高校3年時の実力模試は「偏差値29」だったが、独学勉強法で1浪後、東京大学理科二類に合格。2006年、東京大学薬学部を卒業後は、作家、イラストレーター、心理カウンセラーとして活動。2020年、静岡市内に「杉山塾」を開き、小学生~高校生の学習塾代表として活動中。近著に『東大ママの「子どもを伸ばす言葉」事典』(講談社ビーシー/講談社)がある。

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おとなの週末Web編集部
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