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【蕎麦】
静岡市内にはおいしい蕎麦屋が立ち並び、激戦区といわれる。一説には、もともと静岡では蕎麦づくりが盛んで、家康が駿府の蕎麦を江戸に伝えたために、それが江戸蕎麦の礎となったともいわれている。また大井川を境に、西はうどん、東はそばの食文化が色濃いと言われており、静岡市はまさしくその境界線の真東に位置する。

『八兵衛 静岡店』 @小黒

ローカル客で大いに賑わう人気の蕎麦処

1975年に静岡県藤枝市で創業。まだ自家製粉が珍しい時代に石臼の機械を導入し、‘89年には静岡店を開業。玄蕎麦の殻を剥かずに殻ごと挽く”押し挽き”を実践。甘皮(繊維)を極力取り除き、食感&のど越しのいい蕎麦を打ち続けている。その風味をダイレクトに味わうなら、せいろがおすすめだ。

鴨汁せいろ 2156円

『八兵衛 静岡店』鴨汁せいろ 2156円 鴨の脂が香ばしく、ネギの甘みも濃厚。鴨汁にはれんこんや大根など、野菜もたっぷりと
『八兵衛 静岡店』風情ある中庭に面した店内

[住所]静岡県静岡市駿河区小黒1-7-14 ドミ-ルビル1階
[電話]054-284-1331
[営業時間]11時~21時
[休日]無休
[交通]しずてつジャストライン小黒二丁目バス停から徒歩4分

【クラフトビール】
観光資源が豊富な静岡県では昔からお土産用の地ビールづくりが盛んで、1994年の酒税法改正以降、クラフトビール醸造所も増えた。なかでも近年話題なのがウエストコーストIPA&ヘイジーIPAのブームを巻き起こした『West Coast Brewing』(通称:WCB)。また市内には多くのタップバーがあり、さまざまなビールが楽しめる。

『12-twelve』 @紺屋町

WCBのビールを静岡駅チカで楽しめる

シアトル出身で、静岡在住の建築家であるバストン・デレックさんが、2019年に立ち上げた「WCB」。彼がブルワリー創業前から営むビアパブが『12-twelve』だ。静岡市郊外の用宗にある醸造所に行かずとも、駅近でWCB のビールが常時16タップ前後繋がっている有り難さ。多くの客で賑わう理由だ。

フライトセット 1700円

『12-twelve』フライトセット 1700円 4種のビールの飲み比べセット
『12-twelve』店舗設計もデレックさんの担当

[住所]静岡県静岡市葵区紺屋町7-14 小梳神社第2ビル1階
[電話]054-204-8188
[営業時間]11時~15時、17時~24時、土・日・祝11時~24時 ※日は~22時
[休日]月(祝は営業、翌日休)
[交通]JR東海道本線ほか静岡駅北口から徒歩8分

【手間隙かけた美味に触れに、いざ静岡へ!】

静岡駅周辺、とくに北西側の繁華街は街歩きが楽しいエリア。駿府に隠居した家康が都市整備を進めたため、今も碁盤の目状に道が延びる。その街区に並ぶ、数多の飲食店。「静岡市は県内一の食の街」と言われる所以だ。「水は安倍川水系で、近隣の焼津・清水港で揚がる魚も旨い。静岡は本当にいいところだよ」。

おでん店『愛ちゃん』店主の松本義和さんも、わが街の美味に自信満々だ。その静岡のソウルフードが、ダシが染みた静岡おでん。「おでんと女房には、愛情と手間を注がなきゃ」。冗談交じりに話しつつ、こまめにおでん鍋の世話をする松本さん。その真摯な仕事ぶりと、おどけた対応のギャップが魅力だ。

『愛ちゃん』のカウンターの主役、おでん鍋。店主の松本さん曰く、牛すじでとったダシを継ぎ足しで使ううちに、この黒い輝きが生まれるようになったという

静岡駅の南側、小黒町で蕎麦店『八兵衛 静岡店』を営む町塚延夫さんの仕事ぶりも、職人気質。理想の蕎麦のために、石臼碾きの機械を特注するほどだ。必要以上に蕎麦の実の甘皮部分を挽き込まないことで生まれる、歯応え&のど越しに秀でた蕎麦。スタッフのサービスも懇切丁寧で、食事時には満席の人気店だ。

『八兵衛 静岡店』入口すぐの場所にある蕎麦打ち部屋

また静岡駅の北側は、日本有数のビアパブ密集地。県内に多くのクラフトビール醸造所が存在するからだ。『12-twelve』は全国、また世界にファンを持つ『West Coast Brewing』のビアレストラン。毎週発売される新作のビールが最速で繋がり、いずれもクラフトマンシップを感じさせる味わいだ。

家康が駿府城を整備したことを機に、全国から優秀な職人が静岡に集まったと、『静岡市歴史博物館』で学んだ。彼らが定住し、やがてその技術がプラモデル産業につながったことも、『静岡ホビースクエア』で知った。そして静岡の美味は、職人ともいうべき仕事熱心な作り手が紡いでいる。そう思えば、『ヴィノスやまざき』『キル フェ ボン』などの人気店が静岡発祥なのも、頷けるのだ。手間隙かけて作られる美味に合うために、ぜひ静岡に出かけてほしい。

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『静岡市歴史博物館』 @追手町...
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おとなの週末Web編集部
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