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ひと昔前まで奈良の観光といえば、東大寺の大仏や正倉院、興福寺の阿修羅像など寺院や仏像巡りだろう。かく言う筆者も石舞台古墳や飛鳥寺など小・中学校の教科書に登場したスポットへレンタサイクルを使って何度か訪れたことがある。

『日本料理 滴翠』のランチ「牛フィレ肉と大和野菜の柿の葉陶板焼き」の牛フィレステーキ

志賀直哉旧居周辺でカフェ&スイーツ巡り

もちろん、今も寺院や仏像巡りを楽しむ人は多いと思うが、奈良に何度も足を運んでいる方にオススメしたいのが、奈良公園エリアの南東側、ならまちエリアの東側に広がる高畑(たかばたけ)エリアだ。

志賀直哉旧居

かつては春日大社の神職らが住む社家町(しゃけまち)として栄え、近代になると、作家の志賀直哉ら文化人が暮らした。とくに志賀直哉が1929(昭和4年)から1938(昭和13)年まで9年間過ごした邸宅には、小林秀雄氏や武者小路実篤氏、瀧井孝作氏、尾崎一雄氏、小林多喜二氏など多くの文化人が訪れ、「高畑サロン」と呼ばれた。

現在、高畑エリアは閑静な住宅街になったものの、明治期に建てられた町家や洋館風の建物が今もちらほらと残る。筆者も初めて訪れたが、奈良の中心部からそれほど離れていないのに観光客も少なく、とても静かだったことに驚いた。カメラを片手に散歩するにはぴったりだ。

志賀直哉旧居
【住所】奈良県奈良市高畑町1237-2
【電話】0742-26-6490
【営業時間】9時半〜17時半(12〜2月は〜16時半、入館は閉館30分前まで
【休日】年末年始(12/28〜1/5)
【料金】大人350円

『たかばたけ茶論』

志賀直哉旧居の目の前にあるのが、洋画家の中村一雄氏が自宅の庭を開放して始めたカフェ『たかばたけ茶論』。敷地内に建つ洋館は、1919(大正8)年に建てられたもので、庭を囲む土塀とともに有形登録文化財に指定されている。晴れた日は樹齢100年以上のヒマラヤスギの木陰が心地良いテラス席でのんびりと過ごしたい。

名物の「チーズケーキ」は甘さと酸味、塩気が絶妙

ここの名物は、自家製の「チーズケーキ」(600円)。口に入れた瞬間、濃厚な味と香りがふわっと広がり、スーッと溶けていく。味の余韻がいつまでも残り、心が満たされる。「コーヒー」(550円)などのドリンクとセットで注文すると100円引きに。

【たかばたけ茶論】
【住所】奈良県奈良市高畑町1247
【電話】0742-22-2922
【営業時間】14時〜18時(17時半LO)
【休日】月〜木曜(祝日の場合は営業)

『空気ケーキ。』

志賀直哉旧居の周辺にはまだまだオススメの店がある。西へ5分ほど歩いた場所にある『空気ケーキ。』もその一つ。オーナーが店をオープンさせる際に名物を作りたいと考え、自身の好物であるどら焼きをケーキ調に仕立てたのが店名にもなっている「空気ケーキ」である。空気のように軽く、浮いていくようなイメージに仕上げたのがその名の由来だ。

「空気ケーキ」のプレーン(左)と抹茶(右)

ふんわりと軽い食感のカステラ生地にサンドしてあるのは、自然放牧で飼育される乳牛から搾った牛乳を使ったムースとあんこ。濃厚なのにすっきりとした味わいの牛乳ムースとあんこのバランスが秀逸だ。

「プレーン」(216円)や上質な宇治抹茶を使った「抹茶」(291円)の他、「オレンジ」(291円)や「ブルーベリーチーズ」(291円)など日替わりで店頭に並ぶ。

【空気ケーキ。】
【住所】奈良県奈良市高畑町738-2
【電話】0742-27-2828
【営業時間】9時〜18時半※喫茶スペースは10時〜18時(17時半LO)
【休日】火曜、水曜(祝日の場合は営業)

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永谷正樹
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