旬の食材は食べて美味しいだけではなく、栄養もたっぷり。本コーナーでは魚や野菜、果物など旬食材の魅力をご紹介します。
さて、今回のテーマとなる食材は?
文/おと週Web編集部、画像/写真AC
■クイズの答えは……
正解:ほや
難易度:★★☆☆☆
臭いなんて言わないで!! 病みつき度は100%です
その見た目から「海のパイナップル」とも称されるほやは、5月~8月に旬を迎えます。東日本、特に、東北ではおなじみですが、西日本では流通量は多くなく、あまりなじみのない海産物のようです。
天然もののほか、養殖もされていますが、主な産地は北海道、青森から宮城県の三陸沿岸。なかでも宮城県は養殖ほやの一大産地で、全国の総収穫量の約6割を占めています。ちなみに、天然ものの収穫量のトップは北海道です。
東日本大震災で養殖ほやは壊滅状態となってしまいました。現在でも震災前の収穫量には及ばないものの、徐々に回復しています。
パイナップルに例えられる袋状の殻を割くと中から弾力のある橙色、薄い黄色の身(筋肉)が姿を現します。食用とされるのはその筋肉の部分です。
ほやの個性的な香りと味は好き嫌いがはっきり分かれるようです。その独特な香りを芳醇な磯の香りと称する人がいる反面、アンモニア臭に例える人もいます。
また、ほやはほのかに感じる苦みや甘み、塩味、酸味など、すべての味覚が詰まった珍しい海産物といわれています。この複雑な味わいと磯の香りに病みつきになる人も多いのです! シコシコとした食感も魅力のひとつです。
ほやが嫌いという人のほとんどが先ほどのアンモニア臭に似た香りを嫌いな理由にあげるのですが、それは鮮度が落ちたほやを食べているからかもしれません。
ほやは鮮度が命で、水揚げから少し時間が経つと、臭いがキツくなってしまうのです。実際、宮城出身の人が別の場所でほやを食べたところ、地元で食べるほやとは別物で、食べることができなかったという話も……。
逆に、ほやが苦手だった人が産地で新鮮なほやを食べたところ、難点だった臭いもなく、今までのほやとは別物の美味しさで、大好物になってしまったといった話も。
ちなみに、旬の時期のほやはほかの時期に獲れたものより臭みがないといわれています。
刺身のほかに、炊き込みご飯、天ぷら、酢の物、塩辛、汁物の具にしたりと、用途はさまざま。旬の時期には殻付きのとれたてのほやを産地からお取り寄せして、食べてみてはいかがでしょうか?
美味しいほやの見分け方
触って膨らみがあり、張りのあるものを。手に持って、ずっしりと重いものを選びましょう。軽く感じるものは中の水分が抜け、鮮度が落ちている可能性大です。また、鮮度が良いものは殻を割ったときに勢いよく海水が飛び出します!
ほやの注目栄養素
ほやには、亜鉛や、鉄、カリウムなど、ミネラルがたっぷり含まれています。
注目したいのは、「プラズマローゲン」という成分。この成分は、抗酸化作用を持つとともに、脳を活性化して認知機能の改善をサポートすることが期待されるということから注目を集めています。