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深海魚になる3つのパターン

深海魚になってしまう原因は人それぞれですが、主なものは以下の3つのパターンです。

(1) 中学受験で燃え尽き、勉強にもそれ以外の活動にも身が入らないままだらだらと月日が過ぎてしまい、気が付いたらずいぶん下位の成績になっていた。

(2) 成績上位で入学したが、入学後は部活や遊びに精を出し、勉強はそのうち追いつけると高をくくっていたものの、頑張っても追いつけないほど勉強が分からなくなっていた。

(3) 実力以上の学校に運よく合格できたが、入学後、授業のレベルについていけず、落ちこぼれてしまった。

D君は(2)のケース、E君は(3)のケースでした。

成績不振の原因は「数学」か「英語」

成績不振の多くは数学か英語が出来ないケースが多いのですが、とくに数学は、出来なくなると、なかなか挽回の難しい教科です。D君もE君も、一番のネックは数学でした。そしてその原因は、中学受験時に身に付いた悪い勉強の仕方を切り替えられなかったところにありました。

中学受験の算数は、答えのみを書かせる学校がほとんどです。したがって、どのような解き方をしようと、あてずっぽうであろうと、答えの数字さえ合っていれば、正解です。ところが中学からの数学はそうではありません。数学では論理性が問われます。記述式試験では、答えに至るまでの過程を解答に書かなければならず、その過程が間違っていれば、答えだけ合っていても不正解です。マーク式試験でも、あてずっぽうで正解が出せるような問題にはなっていません。

また、中学受験では「解法暗記」が中心となります。「つるかめ算」や「差集め算」など、解き方を覚えなければ解けないような問題が出されるからです。また逆に、解き方を覚えれば、決まりきったやり方で解ける問題も少なくありません。したがって、解法を十分理解せず機械的に覚えるだけの悪い意味での解法丸暗記でも何とか通用することが多々あり、実際にそのような勉強をしている生徒は数多くいます。しかし中学からの数学では、理解の伴わない解法丸暗記では、そのうち行き詰まってしまいます。

D君もE君も、解き方を丸暗記し、答えだけを機械的に出そうとする中学受験からの悪い勉強法を引きずっていたのです。

「深海魚」になる3つのパターン

「正しい努力は裏切らない」浮上するための3つのポイント

多くの深海魚状態の生徒に共通する“出来ない原因”があります。それを克服するポイントは以下の3点です。

(1) 解答をきちんと作成する
D君の数学のノートを見せてもらうと、判読しがたい字で計算と答えが書かれていました。文字はほとんどありません。中学受験生によくありがちなノートでした。これでは、どこへ向かって、今自分が何をやっているのかさえ分からなくなってしいます。

普段の勉強でも、試験の答案を書くように、きちんと解答を作成することが大事です。きちんとした解答を作成するためには、ゴール(示すべき結論)へ向かって筋道立てて説明することが必要です。そうすることで論理的に考える習慣が身に付くのです。
教科書の例題にはきちんとした解答が示されていますので、それを参考にきちんとした解答を作成する訓練をすることです。

(2) 高い目標を望まず、教科書レベルをしっかり理解する
ハイレベルな授業を行っている学校では、すぐには授業に追いつけないかもしれません。その場合でも、目先の成績にとらわれず、基礎レベル(教科書レベル)を、穴がないようにしっかり身に付けることが大事です。最終的な目標は入試です。基礎力がしっかり身に付いていれば、後から挽回は十分可能です。逆に、難しい問題にばかり意識がいって、基礎力がおろそかになると、一般の学校で教科書レベルをしっかり学習している生徒よりも勉強が出来ないケースも見られます。

(3) 周囲と比較せず、今の自分からの進歩に注力する
進学校では、全国模試で上位の生徒たちもいるため、同学年でも上と下とでかなりの学力差があります。したがって、周囲と比較してしまうと、勉強への意欲を失い、その結果勉強が手に付かなくなったり、最悪のケースでは勉強を放棄してしまうこともあります。周囲と比較するのではなく、今自分が出来ていないところを克服していくことに注力することが大事です。そうすれば自分の成長を感じられるようになり、結果もついてきます。

ありきたりですが、勉強では正しい努力は裏切りません。それを学ぶ機会というように少し余裕をもって捉えるのも一つの考え方ではないでしょうか。これは単なる精神論を述べているのではありません。深海魚状態からなかなか浮かび上がれないのは、精神的な要因も小さくはないのです。

深海から浮上するための数学学習のポイント
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明暗が分かれた2人の結末は…...
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圓岡太治
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