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学力を定着させる“シャッフル”

前述のような問題を解決する学習法として、「問題の切り取り」と「シャッフル・トレーニング」が有効です。

(1) 問題の切り取り
問題を解くときは、問題文以外が見えないように、別のノートや紙で隠して解きます。これによって、不必要な情報を頼りに問題が解けてしまうことを防ぎます。
できれば問題をコピーして、コピーを1問1問ハサミで切り取り、ノートに貼り付けて解くと効果的です。ノートに問題を書き写すという方法もありますが、少し時間がかかります。

(2) シャッフル・トレーニング
新しい単元を最初に学習するときには、テキストの順序通りに解き進めるのが効果的ですが、その単元を一通り学び終え、演習して定着を図るときには、ランダムな順序で問題を解くのが効果的です。これにより、問題の配列によって解き方が分かってしまうのを防ぎます。

E君には、問題をすべてコピーして、ランダムな順序でノートに貼り付け、それを解くという試験勉強をしてもらいました。その結果はすぐに出ました。一度解いた問題と類似の問題が試験で解けないということはなくなり、それ以降の試験では、平均点を上回る成績を取れるようになりました。

なお、このシャッフル学習法は、数学だけでなく暗記科目でも有効です。一度覚えたことをランダムな順序で確認することで、記憶の定着が高まります。E君はこの方法で、暗記科目でも成績を上げました。

定着力を高める学習

圓岡太治(まるおか・たいじ)
三井能力開発研究所代表取締役。鹿児島県生まれ。小学5年の夏休みに塾に入り、周囲に流される形で中学受験。「今が一番脳が発達する時期だから、今のうちに勉強しておけよ!」という先生の言葉に踊らされ、毎晩夜中の2時、3時まで猛勉強。視力が1.5から0.8に急低下するのに反比例して成績は上昇。私立中高一貫校のラ・サール学園に入学、東京大学理科I類に現役合格。東京大学大学院工学系研究科修士課程修了。大学在学中にアルバイト先の塾長が、成績不振の生徒たちの成績を驚異的に伸ばし、医学部や東大などの難関校に合格させるのを目の当たりにし、将来教育事業を行うことを志す。大学院修了後、シンクタンク勤務を経て独立。個別指導塾を設立し、小中高生の学習指導を開始。落ちこぼれから難関校受験生まで、指導歴20年以上。「どこよりも結果を出す」をモットーに、成績不振の生徒の成績を短期間で上げることに情熱を燃やし、学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて難関大学に現役合格した実話「ビリギャル」並みの成果を連発。小中高生を勉強の苦しみから解放すべく、従来にない切り口での学習法教授に奮闘中。

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圓岡太治
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