仙台駅にある『NewDays』でほやのおにぎりを発見! 買って食べてみると、なかなかハイクオリティだったのです。この商品が生まれたきっかけに、そもそも「ほや」って? の疑問も含めてまるっとまとめてご紹介いたします。
画像ギャラリーはじめて出合ったほやのおにぎりに衝撃
先日仙台へ出かけたとき『NewDays』で見かけたおにぎりに目を奪われた。ほやのおにぎりだと……っ! その瞬間手を取り、買い物カゴにinした。
そもそも、ほやとはなんぞやという話だが、その見た目から「海のパイナップル」と呼ばれています。東北、特に宮城県の三陸で生産されています。生産と書いているからには理由があるわけで。宮城県は養殖ほやの一大産地。全国の総収穫量の約6割を占めているというから相当なものです。
ちなみに、もうひとつの産地・北海道は、天然の収穫量でトップを誇っています。
身が黄色くて肉厚、ほのかに感じる甘み・苦みなどが特徴です。独特の香りで好き嫌いが分かれますが、個人的には大好き。宮城県で食べるほやは格別。フレッシュで臭みなし。日本酒が進むのであります。
と、ほやのことを少し書きましたが、より詳しく知りたい方は当サイトに詳しい記事があるので、そちらもご覧ください。
さて、ほやをメジャーな存在にしたのが(僕はそう思っている)、県産水産物の加工・販売を行う「水月堂物産」(石巻市)の「ほや酔明」。1982(昭和57)年に開発された、ほやを乾燥させたハーフドライ珍味。ちびちびつまみながら、お酒をチビッとやるのにピッタリです。
オレンジのパッケージでおなじみ、東北新幹線のワゴン販売で売られていたのを見かけた方も多いのではないでしょうか。実際、車内販売で約40年売られていたそう。お土産売り場にもありますね。
この「水月堂物産」が、業務用米飯と米加工食品の販売を行う「ボン・リー宮城」、JR東日本クロスステーションリテールカンパニー仙台支店と共同開発して誕生したのが「ほや酔明おにぎり」なのです。
商品開発のきっかけはコロナ禍による消費減
はじまりは、コロナ禍の影響でほやの消費が大きく減ったこと。ほや酔明自体も売上高が6割減だったそう。そんな中、新たなマーケットを開拓しようということでこの商品が開発されました。
宮城県産のひとめぼれに、カットしたホヤ(こちらも県内産)と、ほや酔明を合わせ、しょうゆベースのダシで味付け。一緒に炊き上げたご飯をおにぎりにしたのです。
ほやの市場開拓ということは裾野を広げる名目もあるのでしょう。開発にあたり、初めてほやを食べる方も、ほやが好きな方もおいしく食べてもらえるようにと、具材の量、味の深みを出すことに注力したのだとか。ダシの種類や量などを変えて何度も試作を重ねたらしいです。
発売初日は300個が約30分で完売!
試行錯誤の末、完成した「ほや酔明おにぎり」は、2022年12月1日に仙台駅の『NewDays』で販売開始。初日は用意した300個が約30分で完売。翌日は倍の600個を用意したというほど、多くの支持を集めました。
ここまで話題の商品を知らなかったとは……不覚。
さて、仙台を離れる前に購入した「ほや酔明おにぎり」を家で食べてみました。
ダシが効いているからか、鶏の炊き込みご飯のような味わいがありつつ、ほやの磯の風味を感じます。うん、おいしい! ほやの力はあるにせよ、そもそも炊き込みご飯としておいしい。これならほやは苦手という人でも食べられるのではないでしょうか。
仙台に行ったら、ぜひお試しあれ。手近なご当地フードとして楽しめますよ!
取材・撮影/編集部えびす
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