「夏越ごはん」は200食分
神事の後、ふるまわれた「夏越ごはん」は、茅の輪の丸い形をイメージした夏野菜のかき揚げ丼です。「ゴーヤ」「パプリカ」などの夏野菜や干しエビが入っているそうです。タレにはレモンや生姜が入ったさっぱりした味で、とても美味しそうです。
「夏越ごはん」は、米穀の安定供給の確保の支援などに携わる公益社団法人 米穀安定供給確保支援機構が、「ごはん食の魅力再生とごはんの消費拡大を図る目的」(「夏越ごはん」資料より一部抜粋)として開発し、2015年から提唱している「夏越の祓」の行事食です。
「夏越ごはん」は、雑穀入りごはんの上に夏野菜を使用した丸い食材(「茅の輪」をイメージしたもの)が乗っているのが特徴です。日本神話に出てくる貧しい暮らしをしていた蘇民将来(そみんしょうらい)が、宿を探していた素盞嗚尊(すさのおのみこと/神の地位)を「粟飯」でもてなしたという伝承に由来しているそうです。
「夏越ごはん」には、”夏を元気に乗り切り、残りの半年を新たな気持ちでスタートできるように”という願いが込められているといいます。
赤坂氷川神社の「夏越ごはん」のふるまいは、(神事前に)配られた無料チケットを持つ参拝者に、「夏越の祓」の神事終了後、配布されました。
「夏越ごはん」は、百貨店や社員食堂などでも期間限定メニューとして提供されているようです。米、雑穀、夏野菜がベースになっているので、炭水化物や食物繊維、ビタミン類が効率よく摂ることができるレシピになることから、行事食としてだけではなく”暑い夏を乗り切るメニュー”としても好評を得ているそうです。
「(できれば雑穀入りの)ごはん」と、「茅の輪にちなんだ丸い食材」という2つの要素をおさえていればレパートリーは自由自在という「夏越ごはん」。これなら、家庭でも無理なく食材もそろえられ子供と一緒に楽しみながら作ったり、好みに合った「夏越ごはん」が作れ、”健康を願う夏の風物詩”となりそうです。
文・写真/大島あずさ