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大井町駅から徒歩すぐの飲み屋街。細い路地が縦横に伸びる東小路飲食店街、そして平和小路からなるエリアは夜になると活気付き、狭小店からは楽しそうな声が漏れ始める。平成、令和に開店した店も多いが、この雰囲気、まさに昭和!

次どこ行く~?選択肢多々がウレシ

大井町駅東口を出て左へ行くとすぐ左手に、近代化された駅周辺の中で、なぜかここだけぽっかりと変わらぬエリアがある。戦後闇市の名残りを思わせる建物が今も残り、東西に伸びる狭い路地に小さな店が並ぶ飲食店街だ。『東小路飲食店街』という看板を潜って足を踏み入れる。

『東小路飲食店街』

訪れたのは数年ぶりなので、まずはぶらっと全体を散歩。いいねえ、この雰囲気。並行する2本の路地とその先の平和小路、間を横切るすずらん通り。全長100mにも満たないかと思われる中に、スナック、小料理屋、中華、洋食……。新しい店もポツポツ増えているみたいだが、懐かしい雰囲気は変わらぬままだ。

『東小路飲食店街』

到着したのはまだ夕方。となればハシゴのスタートは決まっている『肉のまえかわ』だ。その名の通り、もともとは肉屋だったという店構えの立ち飲み。精肉店らしいショーケース中にはメンチカツやポテサラ、とりささみなどの肉!!ドリンクとともにお会計はキャッシュオンデリバリー。ビールは自分で冷蔵庫から出す。小皿にいっぱいの和牛ランプローストビーフとウーロン割りでまずは一杯。箸代わりに竹串2本で食べるのがこちらの流儀。いいね。

『肉のまえかわ』

続いて立ち飲みシリーズ第2弾。すずらん通りを挟んで逆側の並びにある『臚雷亭(ローライテイ)』へ。こちらはちょっと珍しいせんべろ中華だ。よだれ鶏340円、ピータン250円、レモンサワー240円…。ポーション小さめながら安い!!しかも料理は手作りでどれもちゃあんと旨し。おばちゃんがぜひ食えというから頼んだ焼売がまたウマウマだったぞ。

『臚雷亭(ローライテイ)』よだれ鶏 340円

徐々に日も暮れて横丁にはネオンが煌めき出す。気分だ。そろそろ座って飲める小料理屋がいいなと歩くところへ「いらっしゃ~い」という明るいママの声。吸い込まれるように入ったのが『楽々』だ。6~7人入ればいっぱいかなという大きさも東小路らしいカウンター居酒屋。

『楽々』

ママの人柄か和気藹々な感じで居心地がいい。初めて入ったけど、聞けば20年目だそう。大皿料理もいいが、広東省出身というママ自慢の餃子、中華風目玉焼きもかなりイケる。ちなみに向かいのカラオケスナックはじめ界隈で4軒やってるそうで……やり手じゃん!

久しぶりに来たのでわりと新顔の店も覗きたいなと次に向かったのが『まり花』。看板にはクラフトビール 、煮込み、お食事の文字。縄のれんだけのシンプルな入り口がいい。中に入ると存外広く、いい意味で大衆居酒屋然。

でも清潔感もあって、おっさんのみならず女子もちらほら。塩煮込みや極厚のハムカツ、自分で濃さを調整できる酎ハイ。かたやクラフトビールやパッタイなんかもあって懐が広い。気分しだい~で攻められそうだし、気に入った。

『まり花』ハムカツ

そして忘れちゃいけないのが『永楽』なのさ。昭和31年から続く中華は健在!飾り気のない赤いカウンターとテーブル席。瓶ビール大瓶にチャーシューと餃子を。ぷりんコロンとしてニラいっぱい、焼き具合絶妙の餃子うめえ。さらにワンタンメンなのだよ。

『永楽』餃子

焦がしネギがきいた黒いスープは香ばしくも意外にあっさりした醤油味。そこに細めの平打ち麺がツルツル喉ごしよく腹に収まっていく。もやしもたっぷり。横丁でここを知らずばモグリとも言われてる。

さあ、お腹も満ちたところで〆はバーがいいんじゃない。って目の前に可愛いサクランボの看板。2階にトントンと上がると屋根裏っぽい落ち着いた空間のバー『プティ エトワール』だ。

『プティ エトワール』

先客と気さくなママはどちらもサザンオールスターズのファンらしく、YouTube見ながらライブ話で盛り上がってるし。ウイスキー水割りを頼んだら、早速俺も加わろうっと。なんつうかそういう世代なわけよ。音楽話に夜も更けてく。今夜のはしご酒も楽しかったなあ。

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おとなの週末Web編集部
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