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審査員えびすが印象に残った料理8品

ここからは、審査で食べた中で印象的だった料理をご紹介します。料理全品は画像ギャラリーをご覧ください。わかりやすく、上記で紹介したシェフの順番で紹介しています。実際に食べた順番と異なること、予めご了承ください。

しっかり審査させていただきました
しっかり審査させていただきました

まずは、Suzuki Barbosa Gustavoシェフの「甲州ワインビーフのすき焼き風パステル」。自身が住む山梨県の甲州ワインビーフを使った一品。ブラジルの料理「パステル」と日本の「すき焼き」を融合させています。

カリッとした食感の生地から卵黄がとろり。割り下をまとった甲州ワインビーフと絶妙に絡みます。山椒がいいアクセントでした。

Suzuki Barbosa Gustavoシェフ(スパニッシュ・中南米/山梨県)の「甲州ワインビーフのすき焼き風パステル」
Suzuki Barbosa Gustavoシェフ(スパニッシュ・中南米/山梨県)の「甲州ワインビーフのすき焼き風パステル」

続いては、激戦区のフレンチから。小島広夢シェフの「 チバブ~千葉の大地を頂く巻きケバブ~」です。これはファーストインパクトが鮮烈! ビネガーの甘・酸がきいたソースが、千葉県産林SPBポークの豚バラ肉が持つ脂の甘みを引き立てます。

フェス飯らしく、ワンハンドフードで楽しめるケバブをチョイスしたところも好感が持てました。

小島広夢シェフ(フレンチ/千葉県)の「 チバブ~千葉の大地を頂く巻きケバブ~」
小島広夢シェフ(フレンチ/千葉県)の「 チバブ~千葉の大地を頂く巻きケバブ~」

同じフレンチ、小島シェフと同門『ガストロノミー ジョエル・ロブション』所属・根本郁弥さんの「Soupe de MEHIKARI 〜深海遊泳〜」。見た目から興味をそそられる一品は、自身の出身地・福島県で親しまれているメヒカリを無駄なく食べてほしいと、フリットとスープ・ド・ポワゾンに仕上げています。

フリットを手で掴んで楽しみつつ、スプーンでスープをすくって飲めばサフランの華やかな香りがふわり。ときにフリットをスープにつけたりなんかして。フェスでこの料理が食べられたら、どれだけ贅沢だろうか。頭の中は幕張メッセへと……妄想が膨らみました。

根本郁弥シェフ(フレンチ/東京都)の「Soupe de MEHIKARI 〜深海遊泳〜」
根本郁弥シェフ(フレンチ/東京都)の「Soupe de MEHIKARI 〜深海遊泳〜」

31品あれば、さまざまな独創的な料理が次々に出てくるわけですが、その中でもプレゼンに心を奪われたのが深作直歳さんの「茨城納豆鍋」

深作直歳シェフ(フレンチ/東京都)の「茨城納豆鍋」。まず箱が登場
深作直歳シェフ(フレンチ/東京都)の「茨城納豆鍋」。まず箱が登場

コンサル業や商品開発をしているだけあって見せ方がお上手。箱から取り出すところにはじまり、食べ方もまあお見事。これには渡辺シェフも実食後、控室で「あのプレゼンはすごかった」とおっしゃっていたほど。このままどこかのフェスに売り込めそうです。

深作直歳シェフ(フレンチ/東京都)の「茨城納豆鍋」。箱を開けるとご覧の状態に
深作直歳シェフ(フレンチ/東京都)の「茨城納豆鍋」。箱を開けるとご覧の状態に

肝心の料理ですが、実は私、納豆が苦手。しかし、これは食べられました! 全体にあっさりとして味付けになっていて、ローズポークの旨みと甘みを納豆が引き出しています。納豆とチーズをつなぐ生クリーム・白ワインが適度な酸味を生み出しているのもgoodでした。

深作直歳シェフ(フレンチ/東京都)の「茨城納豆鍋」。中はこんな感じ
深作直歳シェフ(フレンチ/東京都)の「茨城納豆鍋」。中はこんな感じ

ご当地色を強く感じたのが、栗山 昭さんの「あんぼーナツ」。あんや野菜を米粉の皮で包んだ饅頭のような郷土料理「あんぼ」をあんドーナツ風に仕上げ。衣に柿の種、中の具材に妻有ポーク、しいたけ・天恵菇(てんけいこ)、かんずりといった新潟のうまいもんが使われています。

栗山 昭さん(フレンチ/新潟県)の「あんぼーナツ」
栗山 昭さん(フレンチ/新潟県)の「あんぼーナツ」

こういうドーナツは脂っぽいものが多いですが、それがほぼ皆無。もちもちの皮ですが、柿の種のカリッと食感がアクセントとなり、中からは豚肉がじゅわっ。フェス飯どころか、ご当地グルメとして売り出してほしいと思えるおいしさでした。

栗山 昭さん(フレンチ/新潟県)の「あんぼーナツ」の中身
栗山 昭さん(フレンチ/新潟県)の「あんぼーナツ」の中身

今回の注目シェフのひとり、長塚健斗さんの「西多摩ジビエの山わさびバーガー」も記憶に残る一品でした。見た目からしてボリューム満点。奥多摩で捕れた鹿の肉を100%使ったパティなのでクセが強そうに感じますが、多摩川の源流で育てられた山わさびで作るわさび漬けを効かせてうまくまとめています。

右手にバーガー、左手にハイボールを持ってフェスの会場を闊歩する自分の姿が目に浮かぶ……。長塚シェフ自身がフェスに幾度となく出演されている経験が生かされていました。

長塚健斗さん(フードクリエイター/東京都)の「西多摩ジビエの山わさびバーガー」
長塚健斗さん(フードクリエイター/東京都)の「西多摩ジビエの山わさびバーガー」

2軒目のフェス飯というアプローチで楽しませてくれたのが、早川 光さんの「Damako アランチーノ」でした。出身地・秋田県の「だまこ鍋」とイタリアンの「アランチーノ」をマッチング。食べた瞬間に比内地鶏のソースが口中に広がり、噛むととんぶりのプチプチが小気味いいです。

別添の滋味深いダシで口内調理を完成させるというアプローチもお見事でした。

早川 光さん(イタリアン/東京都)の「Damako アランチーノ」
早川 光さん(イタリアン/東京都)の「Damako アランチーノ」

終盤、お腹が膨れつつある中で、シンプルに「おいしい!」と思えたのが、立岩幸四郎さんの「葱油伴麺(東京江戸野菜、千住ネギの和えそば)」。江戸野菜である千住葱を、揚げ、煮込み、炒めを駆使して作り上げた和えそばです。

黒酢の香りがガツンと鼻孔をくすぐり、麺をパリパリっと食べる手を進ませます。揚げネギの香ばしさもいい感じです。ジャンクな味なので、ビールと一緒に楽しみたい!

立岩幸四郎さん(中国料理/東京都)の「葱油伴麺(東京江戸野菜、千住ネギの和えそば)」
立岩幸四郎さん(中国料理/東京都)の「葱油伴麺(東京江戸野菜、千住ネギの和えそば)」

31名の料理を食べると、さすがに日頃の覆面調査で胃袋が鍛えられている自分でもかなりお腹いっぱいに。フェス飯というテーマからガッツリ系が多かったのも要因かもしれません。

今回思ったのは、料理って自由でいいんだということ。改めて気付かされました。

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編集部えびす
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