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秋の深まりと共に、じっくり教養をも深めたい―とは言っても、紅葉を愛でながら肩肘張らずに気軽に審美眼を養い、知見を広げたい。そんな希望を叶えてくれる芸術の秋にふさわしい道の駅3選を紹介します。

これが絶品“玉露のパスタ”!日本三大玉露の産地でいただく最高級の玉露

師走が近づき、何かと気忙しいこの時季、ふだん何気に飲んでいる緑茶を高級品に変えて茶室で嗜(たしな)み、心を整えてはいかがでしょう。

向かうは、道の駅「玉露の里」(静岡県藤枝市)。東海道21番目の宿場「岡部」にあり、京都宇治、福岡八女と並ぶ日本三大玉露の産地としてその名を知られています。

玉露は、緑茶の中で最高級と言われる希少品。その栽培法は独特で、新芽が出る頃に茶畑に日よけをかぶせるひと手間を要します。日光を遮ることで苦み(タンニン)が抑えられ、旨味(アミノ酸)が増して、コクがありながらも、渋味が少なく甘くてまろやか味わいになります。芳醇な香りと目にも鮮やかな色合いで、五感をほどよく刺激してくれます。

清流に囲まれた敷地内にある茶室「瓢月亭(ひょうげつてい)」では、情緒あふれる部屋で女性講師のもと、お茶のいただき方や味の違いなど丁寧な説明を聞きながら、玉露か抹茶をいただくことができます(入館料510円、茶菓子付き)。

「瓢月亭」では、玉露か抹茶をいただく際、作法やお茶の味の違いなどについて学ぶことができる。茶室での一服は背筋が伸び、心がととのう

本格的な茶室(三畳台目)や大広間のほか、正座が苦手な人のための椅子席もあるので、お点前作法は分からずともかしこまることもなく、気軽に楽しむことができるのはうれしい限り。目の前に広がる日本庭園は紅葉が見ごろを迎え、冬の椿へと移り変わります。

レストランでは、高級茶、玉露を使った斬新な絶品メニューがそろっています。「朝比奈玉露のタリオリーニ」(1430円)は、コクがありながらも、お茶のさわやかな風味がきいたオリジナリティあふれる一品です。

「朝比奈玉露のタリオリーニ」1430円

2023年11月19日には、「秋まつり」を開催。ハンドメイド雑貨の販売やワークショップなど楽しい催しが盛りだくさんです。

【道の駅「玉露の里」】
住所:静岡県藤枝市岡部町新舟1214-3
電話:054-668-0019
営業時間:施設により異なる
休日:年末年始
交通:新東名高速藤枝岡部ICから10分
公式HP:https://www.shizutetsu-retailing.com/gyokuronosato/

国内に現存する唯一のドイツ近代建築「旧青木家那須別邸」

道の駅で国の重要文化財を鑑賞し、近代建築の粋に触れるのはいかがでしょう。

敷地面積7.5ヘクタールを誇る道の駅「明治の森・黒磯」(栃木県那須塩原市)の森に鎮座するのは、1888(明治21)年に建てられた「旧青木家那須別邸」です。

「旧青木家那須別邸」では、重厚ながら意匠を凝らしたドイツ様式の近代建築を鑑賞できる(写真提供・那須塩原市教育委員会)

この建造物を建てたのは、青木周蔵(1844〜1914年)。那須塩原市によると、青木周蔵は、那須野ケ原の開拓者のひとりで、明治時代にドイツ公使や外務大臣などを歴任。設計者は、ドイツの建築技術を日本に伝え、七十七銀行本店(宮城県仙台市)や台湾鉄道ホテルなどを設計した松ケ崎萬長(つむなが)で、「旧青木家那須別邸」は、国内に現存する松ケ崎の唯一の建築となっています。

建物の随所に重厚で独特の意匠を用いたドイツ様式の構法による貴重な近代建築は、1999(平成11)年、国の重要文化財に指定されました。館内には農場開拓や青木周蔵に関する資料が提示されており、当時の様子を伺い知ることができます。

ドイツ様式の構法が採用された小屋裏部屋(非公開、写真提供・那須塩原市教育委員会)

邸宅前には菜の花やひまわり、コスモスといった四季折々の花が咲き誇り、撮影スポットとしても人気です。

現在、道の駅「明治の森・黒磯」はリニューアル工事に伴い、近隣の青木サッカー場内(那須塩原市青木101)の仮店舗で営業しています。

【旧青木家那須別邸】
住所:栃木県那須塩原市青木27
電話:0287-63-0399
営業時間:9時~16時半/10月~3月、9時~17時半/4月~9月
休館日:月(祝日の場合はその翌日、12月29日~1月3日)
観覧料:大人200円、小中学生100円
交通:東北自動車道黒磯板室ICから10分
公式HP:https://www.city.nasushiobara.lg.jp/soshikikarasagasu/shogaigakushuka/bunkazai/2/6/2636.html

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