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光源氏が訪れた野宮神社、霊験あらたかな「お亀石」

お腹もいっぱい、体も温まったところでいざ「竹林の小径」の中へ。観光客でごった返す小径を進むと、源氏物語「賢木(さかき)の巻」で光源氏が六条御息所(ろくじょうのみやすどころ、『源氏物語』の登場人物)を訪ねた場所、『野宮(ののみや)神社』が現れます。

年間を通して混雑する「竹林の小径」。ひるまず進むと鬱蒼とした竹林の中に『野宮神社』が現れる

「野宮」とは伊勢神宮に仕える斎王(内親王や王女から選ばれる)が伊勢へ行く前に身を清めるための場所で、もともとは天皇一代ごとに場所を移していたそう。南北朝時代の混乱期に斎王制度が失われ、神社として今に残されたのが『野宮神社』です。

縁結びや子宝、良縁のご利益で知られる野宮神社だが、実は悪縁を断つ縁切りのご利益でも有名

樹皮がついた丸木でつくられる日本最古の鳥居形式「黒木(くらき)鳥居」と、鳥居両袖のクロモジを用いた小柴垣。源氏物語や謡曲、和歌に描かれた風情が今に平安の空気を伝えます。

クヌギの樹皮を剥かずに丸木のまま使用する日本最古の鳥居形式「黒木鳥居」。クロモジを用いた小柴垣が両袖に配される

本殿にはひっきりなしに参拝者が訪れていますが、その左手、大黒天の横には神石「お亀石」と札がついた石があります。こちらは祈りながらなでると願いがかなうという霊験あらたかな石なので、しっかりなでてパワーをもらいましょう。

長い年月多くの人が撫でたのであろう神石「お亀石」は、表面はつるつるツヤツヤで信仰の篤さを感じさせる

緑の絨毯のような苔が茂る「じゅうたん苔」

お願いごとが済んだら苔庭「じゅうたん苔」を見に境内右手へ。緑の絨毯のように苔が茂る庭は白砂部分が大堰川、その上にかかる橋は渡月橋という嵐山の風景を模しており、優美な姿に心が癒されます。

嵐山の風景をミニチュアにした苔庭は、小さいながらも風情あるたたずまい

源氏物語旧蹟だけあって絵馬やお守りにも物語にちなんだ十二単の女性が描かれ、旅する時空はすっかり平安時代……。そんな雅なひとときを体感してみてはいかがでしょう。

【豆腐料理 松ヶ枝】
住所/京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町3番地
電話/075-872-0102
営業時間/11:00~16:30(観光シーズンは10:30~)
定休日/無休(元日12:00~)

【野宮神社】
住所/京都市右京区嵯峨野宮町1
開門時間/拝観自由
参拝料/無料

編集/エディトリアルストア
取材・執筆/渡辺美帆、成田孝男
写真/奥田正治

※情報は令和5年12月4日現在のものです

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おとなの週末Web編集部
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