作り話のような“怖い”実話
(3)試験当日の注意
(a) 朝食「調子を崩さないよう、特別な食事は避ける」
朝食は、試験開始時刻から逆算して、少し時間に余裕を持つことが大事です。危惧されるのは、試験中にトイレに行きたくなることです。食べ過ぎると眠くなりますので、量も控えめが良いと思います。昼食も同様です。ただし試験中にお腹が空きそうなら、休憩時間に食べられるパンなどを持参しておくと良いでしょう。
試験だからと言って特別な食事をするのはやめましょう。試験当日はいつもとは異なる状態です。体調を崩す原因となりかねません。特に油物など消化に悪いものは摂らない方が無難です。
知り合いの女性Aさんのケースでは、高校受験の当日に「試験に勝つ」というゲン担ぎで、お母様が朝食に「とんかつ」を出しました。ところが、Aさんは試験の最中にお腹の調子がおかしくなり、何度かトイレに行くことになって、試験に集中できなかったそうです。その日は第一志望校の受験でしたが、結果は不合格。結局滑り止めの私立校に進学したそうです。作り話のような実話です。
(b) 休み時間の過ごし方「教材の見直しを、トイレも」
休み時間には、必ず次の試験科目の教材の見直しをしておきましょう。試験直前に見直しをしていたところが出題されたという話はよく耳にします。見直しをしたところが出なくても、次の試験のために頭を切り替え、ウォーミングアップする効果があります。それによりケアレスミスを防げる可能性もあります。
その他休み時間にしておくべきことは、主に下記の4点です。
・トイレに行っておく
・水分と糖分の補給(飴やチョコなどのお菓子を持参する)
・深呼吸をしたり、体を動かしたりして、血行をよくしておく
・体を冷やさないように気を付ける
(c) 服装「セーターは着ない」
試験会場は、寒い場合もあれば暖かい場合もあります。いずれの場合にも対応できるよう、着脱しやすい服を重ね着しましょう。当日、非常に寒くても、会場内は暖かい場合があります。セーターなどはやめた方が無難です。
(d) やってはいけないこと「答え合わせ」
試験が終わった後は、解いた問題が出来たかどうか、あるいは解けなかった問題の答えが何だったのかが気になります。しかし、その学校の試験がすべて終わるまで、答え合わせは絶対にやってはいけません。出来ていなければ気分が沈みますし、出来ていても油断につながります。どちらにしてもプラスになることはありません。終わった科目のことは考えないことです。それよりも休み時間の間に気持ちをリセットして、つぎの試験に向けて準備をしましょう。
「900点満点で890点」と言ったら、女子高生が泣き出して
友だちから試験の内容を聞かれても、それについて話をするのもやめましょう。自分にとってマイナスになるだけでなく、友だちに与えた影響が気になって、集中力がそがれる場合があります。大学受験で、次のようなケースがありました。
センター試験で全国一位の成績を取ったB君のお話です。センター試験の会場には、さまざまな高校の生徒がいます。2日間の試験で、最後の科目が数学だった時のこと。休憩時間に、B君は廊下で友人と話をしていて、「次の試験(数学)が終われば、890点(900点中)だな」と何気なく語ったそうです。
B君の実力なら、数学は満点が取れますので、そのような言葉が口をついて出たのでしょう。実際そうなりました。ところが、近くにいた他校の女子高生がその言葉を聞いていて、泣き出したそうです。B君と比較して、自分ができていないことに愕然としたのかもしれません。一方で、B君も他校の女子高生の予期せぬ反応に、多少なりとも動揺したことでしょう。このように想定外の事態に発展することもあるのです。