試験が目前に迫った時期の準備とは
入試で注意すべきことは沢山あります。塾の先生方からも教えられるでしょうし、さまざまな情報が手に入ります。ここでは、特に重要度の高いことや見落としがちなことに重点を置いて述べます。
(1)試験数日前からの準備
(a) 試験当日と同じリズムで生活する「勉強時間は9時から12時の間」
体調と同じように、頭の働きも、日や時間帯によって変化します。頭の働きが悪いときは、計算スピードが落ちたり、ケアレスミスが多くなったりします。そのような不調の波をなるべく抑え、入試時に良いパフォーマンスを発揮するために、数日前からは入試当日と同じリズムで生活することが大事です。
その中で特に大事なのが、起床時間と就寝時間。一日のリズム全体に大きく影響するからです。
次に、朝食時間と昼食時間。勉強時間は、多くの学校の試験が行われる9時頃から12時ごろまでにしましょう。
(b)持参物のチェック「マーカーを持ち込める中学も」
試験会場に持ち込めるものは、学校によって若干違いがありますので、よく確認しましょう。例えば、浅野中学(横浜市)では、マーカーを持ち込めます。マーカーを使えば、国語の文章を読むときの線引きや、算数の図形問題で図を描くときなどに色分けできるので、とても役立ちます。
しかし、これは募集要項ではなく、ホームページで公開されている資料に記載されており、見落としている方もいらっしゃるかもしれません。募集要項だけでなく、関係情報をくまなくチェックすることが大事です。特に、併願校で直前まで受験するかどうか分からない学校の場合は、見落としが起こりやすいので、早めの確認をおすすめします。
「前日、眠れなくても大丈夫」は本当か
(2)試験前日の過ごし方
(a) 前日は夕方には勉強を終える
試験直前まで頑張る気持ちは大事ですが、気を張り詰めすぎて、試験当日に疲れが出たという失敗談もあります。試験前日はゆとりをもって、気持ちを整えることを優先しましょう。前日は新しい問題や難しい問題は解かず、これまでの復習や見直しが大切です。
(b) 忘れ物対策で、試験に持っていくものは前日に必ずカバンに入れておく
忘れ物を防ぐため、入試当日に持つカバンと、その中身は前日に用意し、当日は出かける前に再確認しましょう。想定外のことが起こる可能性も、想定しておかなければなりません。入試当日に体調が悪くなるかもしれませんし、大雪や事故などで交通機関がマヒする可能性もあります。前日に心の準備をしておけば、そのような状況でも余計に慌てることがなくて済みます。入試当日に持っていくもののリストを画像で挙げておきます。
(c) 前日眠れなかったらどうするか?「アドレナリン分泌で大丈夫」
経験上、前日にあまり眠れなくても、当日への影響をそれほど心配する必要はないと思います。人間は戦闘態勢に入るとアドレナリンが分泌され、脳神経や細胞が活発に働くため、実感としては多少の睡眠不足はそれほどハンディになりません。
実際、オリンピックで金メダルを取った選手が、「前日はあまり眠れなかった」とインタビューに答えていました。あまりよく眠れなくても、寝床に横になっているだけでもかなり疲労はとれます。前述のとおり、入試前は就寝時間・起床時間を調整しますが、計画通りにいかなくても気にする必要はありません。睡眠不足そのものよりも、そのことにとらわれて不安感を持つ方が、マイナスの影響は大きいと思います。