東京・御茶ノ水に2024年2月20日、正統派ビアホールがオープンした。その名も『KEEL‘S BAR』。ここでは、「クリスプサーブ」のアサヒスーパードライが飲めるという。クリスプサーブ? その謎を確かめるべく、ライター・カーツさとうが突撃!
サクサク飲めてお腹にたまらないビール
単刀直入に書く。「アサヒスーパードライを日本一おいしく飲ませてくれる店がお茶の水に誕生しました」。
「とか言って、お店の宣伝文句でしょ? だいたい“おいしい”なんて個人の主観だし」
そうお思いの方もいらっしゃることでしょう。しかし! この記事は読み進めるに従い、先程の一文が「論理的」かつ「客観的」な「真実」であるということが理解できる内容になっとります。
その店の名は『KEEL‘S BAR(キールズ・バー)』。
なにしろこの店のスーパードライを注ぐ生ビール“注出設備”……よくビールサーバーとか呼んでるアレ、そこからして、他の店とは違うのだ。
一般的な生ビール“注出設備”は、コックを前に倒すとビールが注がれ、後ろに倒すと泡が注がれる。まずはビールを7割程注ぎ、続いて泡でジョッキを満たすシステム。この方式は、たしかに誰が注いでも、きめ細やかで長持ちする泡を作ることができる。そして当然おいしい生ビールが味わえる。
ところが『KEEL‘S BAR』は、あえてこの「泡つけ機」と呼ばれる“注出設備”ではない、後ろに倒しても泡のできない“注出設備”を導入。
「じゃあ不味くなっちゃうじゃん!!」
ではないのである。ここからが肝心な話になるが、昔からヨーロッパには「シャンクマイスター」という、ビールを注ぐ技を極めた注ぎ手がいた。当然、泡つけ機のような“注出設備”のない時代からの話である。
彼らの矜持はこうだ。
「ビールのうまさとは、半分は醸造技師が造り、半分はオレたちが作る」
そんなシャンクマイスターの誇りと技術を受け継いで、泡つけ機に頼らずスーパードライを注ぐ。それが『KEEL‘S BAR』なのだ。
彼らシャンクマイスターが最上とした、そして『KEEL‘S BAR』でも提供するスーパードライの味わいをひと言でいうと「クリスプ」。「パリパリ」とか「サクサク」という意味である。
クリスプなビールの泡は、泡つけ機で作られたクリーミーにまとわりつく泡とは一線を画し、サクサクと軽く、飲んだ刹那に口の中で爽やかに弾ける。つまり、ガスがお腹に溜まって膨れることがなく、何杯でもいけてしまう。
ビールの本場・ドイツには、この「お腹が膨れず何杯でも飲める」ことを意味する「ワイタートリンケン」という単語があるくらい、このガスがお腹に溜まらないということはビールにとって重要な要素なのである。
早速そのクリスプなスーパードライ……『KEEL‘S BAR』では「クリスプサーブ」と呼んでいるスーパードライを飲んでみた。
この際だから、普通の酒屋で売っている缶のスーパードライをお店の人の許可をもらって持ち込み、飲み比べてもみた。