旬の食材は食べて美味しいだけではなく、栄養もたっぷり。本コーナーでは魚や野菜、果物など旬食材の魅力をご紹介します。
さて、今回のテーマとなる食材は?
文/おと週Web編集部、画像/写真AC
■ドライだけじゃない
正解:あんず
難易度:★★★☆☆
生でも美味しくいただける品種も
あんずはバラ科サクラ属に属し、うめ、さくらんぼ、すもも、ももなどの仲間です。旬の時期は6月下旬から7月上中旬頃までと短く、生のあんずが店頭に並ぶ期間はほかの果物よりも短めです。
生のあんずは酸味が強いため、ドライフルーツ、ジャムなど、加工用として出荷されることがほとんどですが、最近は生食向けに品種改良された、酸味を抑えた品種の栽培も盛んとなっているため、旬の時期には生のあんずにお目にかかる機会も増えてきました。
原産地は中国で、古代の中国では果実を食べるのではなく、種を漢方薬として使用していたといわれています。現在でも種を割り、中の種子(仁)を取り出して乾燥させたものは「杏仁(キョウニン)」という名の漢方薬として使われています。
古くから日本人にも親しまれてきた果物で、中国から日本に伝えられたのは平安時代といわれています。ただし、日本でも当初は漢方薬として活用されていたようで、果実を食するようになったのは江戸時代あたりからといわれています。
とはいえ、当時は生食ではなく、干してから食べていたようです。
生のあんずは非常に傷みやすいため、ほとんどのものは未熟のまま収穫して出荷されます。そのため、出荷されたばかりのものをすぐに食べると酸味が強すぎます。
果皮が淡い黄色だったり、触って硬かったり、香りが弱い場合は常温で追熟させましょう。
果皮が濃い橙色になり、少し柔らかさを感じるようになったら食べ頃です。追熟しすぎると皮がシワシワになってしまうので、少し面倒ですが、こまめに皮の状態をチェックしながら追熟することが必要です。
完熟したものの場合、購入したらできるだけ早く食べ切るか、ジャム、シロップ漬け、果実酒などに加工することをおすすめします。