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インプレッサでスバルへの期待感が高まる

紆余曲折を経て、初代インプレッサは1992年にデビュー。特にスポーツワゴンは、レガシィツーリングワゴン人気によりワゴンブームが到来していた日本で、レガシィとはまったく違うデザインテイストのオシャレなワゴンとして女性から支持された。

一方セダンは、ギュッと凝縮した塊感のあるデザインが特徴で、1.5Lエンジン搭載のベーシックモデルは手頃なサイズの実用セダンとして人気となった。そしてトップグレードのWRXは走り好き、特にスバリストを狂喜させたのは言うまでもない。デビュー時に、ラリーで勝つために生まれたクルマ、と大々的にアピールしたのは大成功で、当時の日本ではWRCといえばトヨタ、三菱のイメージが強かったなか、「何かやってくれそう」、とスバルへの期待感を持たせてくれた。

販売面でも大きく貢献し、レガシィとともにスバルを苦境から救った。ただ、初代インプレッサが当初の予定どおり、直4エンジン搭載でデビューしていたらどうなったのか? 気になるところではあるが、今ほどの名声を得ていないような気がする。

グラベルEXとい今でいうクロスオーバータイプもラインナップ

同じ1992年に宿敵のランエボ登場!!

初代インプレッサがデビューした1992年といえば、この後永遠のライバルとなる三菱ランサーエボリューションが登場。そしてこの両モデルは、この後に世界のクルマ史で稀に見る開発合戦を繰り広げることになる。

初代インプレッサについて言えば、STIの存在が非常に重要で、1994年にSTIバージョンを登場させてから状況が一変する。

このあたりについては別の機会にお話したいと思う。

インプレッサとランエボの激闘はクルマ史に残る

【初代スバルインプレッサWRX STi主要諸元】
全長4350×全幅1690×全高1450mm
ホイールベース:2520mm
車両重量:1200kg
エンジン:1820cc、水平対向4気筒DOHC
最高出力:115ps/6000rpm
最大トルク:15.7kgm/4500rpm
価格:207万円(4AT)

【豆知識】
STIは1988年に設立。初代社長はスバル1000の開発に携わり、その後スバルの技術統括などを担当した久世隆一郎氏。STIはスバルテクニカインターナショナルの略で、スバルのモータースポーツを統括するほか、スバルの市販車のパーツを開発・製造・販売を手掛けている。スバリストから絶大な信頼を得て、モータースポーツではWRCのほか、ニュルブルクリンク24時間レース、スーパーGT、スーパー耐久への参戦のほか、ラリー、レースでのプライベーターをサポートしている。STIは2005年にSTIの表記で統一されたが、それ以前はSTi(iが小文字)だった。

STIはインプレッサで名を上げ、その開発能力の高さでユーザーからの信頼も厚い

市原信幸
1966年、広島県生まれのかに座。この世代の例にもれず小学生の時に池沢早人師(旧ペンネームは池沢さとし)先生の漫画『サーキットの狼』(『週刊少年ジャンプ』に1975~1979年連載)に端を発するスーパーカーブームを経験。ブームが去った後もクルマ濃度は薄まるどころか増すばかり。大学入学時に上京し、新卒で三推社(現講談社ビーシー)に入社。以後、30年近く『ベストカー』の編集に携わる。

写真/SUBARU、ベストカー

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