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35億年前、地球上に植物が生まれました。「シアノバクテリア」と呼ばれています。植物は光合成によって二酸化炭素(CO2)をC(炭素)とO2(酸素)に分けます。35億年かかって、大気中に21パーセントの酸素が含まれるようになったのです。

シアノバクテリアのかたまり(ストロマトライト)を肉眼で見られるところがあります。オーストラリアの世界遺産、シャーク湾です。

「その近くに世界最大の鉄鉱石鉱山ハマスレー鉱山があります」

という松永先生の説明でした。いつかそこへ行ってみたいと思っていました。

なんと、その夢が実現したのです。きっかけは環境関係の集まりで、となりの席に座っていた篠上勝彦さんとの出会いです。なんと日本一の製鉄会社の日本製鉄(当時・新日本製鉄)環境部の社員でした。

製鉄会社は鉄をつくるため大量の石炭を燃やします。そのためたくさんの二酸化炭素を排出しています。一方で、鉄は植物を増やし、それは二酸化炭素を減らすことを意味しています。わたしは会社の偉い人達が集まる取締役会から講演を頼まれたのです。

赤褐色の大地

その結果、篠上さんを案内役に、ハマスレー鉱山とシャーク湾へ視察に行くことになったのです。まずオーストラリアのパースからシャーク湾のあるモンキーマイアに向かいました。

シアノバクテリアは昼は立っていて、夜は横になります。その時、泥や砂を抱きます。何千年も繰り返していると直径1メートルほどのかたまりになります。これがストロマトライトです。水中をのぞくと細かい空気の泡が立ち上っています。光合成で酸素が出ているのです。いまわたしたちが生存しているのは、植物による光合成のおかげであることがよくわかります。

オーストラリアのシャーク湾の光景は、カキじいさんに植物と鉄の深いつながりについて確信をもたらしてくれました。

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植物がつくる鉄...
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高木 香織
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