ステップコンポは重宝した!!
少々話はそれるが、ホンダの二輪車と四輪車のコラボといえば、2代目ステップワゴンに折りたたみ式電動アシスト自転車の『ステップコンポ』も有名。筆者はステップワゴンは購入しなかったがステップコンポを単体で購入し、かなり重宝した。そのほか新しいところでは2023年に開催されたジャパンモビリティショーでは、初代シティ&モトコンポの再来とも思える、『サステナCコンセプト』と小型電動バイク『ポケットコンセプト』のコラボも注目されていた。電動化で初代シティとモトコンポが復活する姿は2025年中には拝むことができるかも。
何に乗っても楽しかったあの頃
初代シティがデビュー時に搭載していたのは、新開発の1.2L、直4SOHCで最高出力は67ps、最大トルクは10.0kgmといたって平凡なエンジンだが、車重が665kgと今の軽自動車よりも軽かったこともあり、走りはキビキビ気持ちよかった。筆者は初代シティがデビューした時には中学3年生。当然運転できるはずもなく、派手なクルマではなかったので興味の対象外だったが、大学に入って免許取得後に自動車部在籍の友人が中古で買った個体に乗せてもらった。今ではクルマに乗ると職業柄、ボディ剛性が云々、エンジンの回転フィールが云々、足回りが云々と偉そうにアラ探しをしてしまうが、当時は何に乗っても新鮮で、いいところしか見えなかった。まぁ、これでは仕事にならないが、今後老後に向けて、当時のフレッシュな気持ちを取り戻すことが、残りのカーライフを楽しむ秘訣なのかも、と初代シティに乗った時を思い出して考えたりする。
TV CMが子どもにも人気
前述のとおり、筆者は初代シティがデビューした時は中学3年生。免許を持っていなかった同世代の人間にとっても印象的だったのがTV CM。イギリスのバンド、マッドマックスの『シティ・イン・シティ』(1981年リリース)のCMソング、「ホンダ、ホンダ、ホンダ、ホンダ」の連呼、真顔でやっているぎこちないムカデダンスなどなどインパクト抜群。この原稿を書くにあたりYou Tubeで検索して当時の映像を見たが、笑えた。ホンダはカッコつけたCMが多かったから異色だった。でも、訴求力は抜群で、シティのCMによりクルマのことを知らない当時の子どもたちにも初代シティを認知させた。
商用モデルも設定
実用性を重視した初代シティ。それは価格にも現われていた。車両価格は、若者でも入手可能な58.8万円(商用のシティプロ )~78万円(シティ R 5)に設定されていた(東京価格)。当時の大卒初任給は12万円程度だったので、今の貨幣価値から考えると150万円程度といったところか。この買いやすい価格も人気の要因だ。鉄チンホイールでシンプルな商用モデル、シティプロは乗用モデルが5MTだったのに対し4MTとなっていたが、商用モデルを設定しているところが1880年代らしいところでもある。
この商用モデルを一般ユーザーが買うことはほとんどなかったが、聞いたところによると営業車として人気が高く、東名高速を爆走するシティプロが多数目撃されていたようだ。商用車として走りが気持ちよかったんだろう。