特徴的な餡の“黄金比”は?
特徴的な餡はキャベツが9割、後はニラ、ニンニク、ショウガ、実は豚肉もほんの少し。キャベツは時季で産地を変え、1~2ミリ単位に細かくカットする。これが繊細な舌触りの秘密。
「11月頃からは愛知の渥美半島産を使う。身が締まって芯が甘く、うちの餃子に適している。だから今から冬にかけての餃子は最高に旨いよ」。知らなかった、餃子に旬があるなんて。もっともこの店だけの話だけど。
作り方も独特で、「皮の際の際までたっぷり餡を乗せて野菜の水分だけで握るんだ」。お気づきだろうか。この店では餃子を“包む”でなく“握る”と言う。「何でだろうね、寿司ネタのように餡を皮に乗せる様子からか、ひとつずつ真心を込めて“握る”という教えだと思います」
1日で3000個ほども作る!
そんな“握りたて”を生のまま焼くのもまた特徴だ。1日で2~3000個を作るが、冷凍や冷蔵の保存は一切しない。全ては自慢の餃子をおいしく食べてもらうため、初代の手法を守っている。
実は取材前、店先で声を掛けてくれた男性客がいた。「ここの餃子は絶品、さすが王さまだよ」。70年前の常連客を思わせる言葉は色あせない味わいの証拠。そう、時代が変わっても、この旨さは変わることなく「餃子の王さま」なのだ。
『餃子の王さま』@浅草
[住所]東京都台東区浅草1-30-8
[電話]03-3841-2552
[営業時間]11時15分~14時LO、16時~20時LO、土・日・祝:11時15分~20時LO
[休日]火
[交通]地下鉄銀座線ほか浅草駅3番出口などから徒歩5分