“磯焼け”って知ってる?「海が砂漠化している」って話に子どもたちも真剣に
さて、今回のイベントである。
参加者は小学校高学年から中学3年生までの子どもとその保護者、2人1組で12組24名。すし銚子丸のホームページなどで募集され、応募多数の場合は抽選となるが、10倍以上、あっという間に多数の応募が寄せられたそうだ。
参加費は無料。内容は、海の学び(座学)と調理体験の2部構成。調理体験では、アジの3枚おろしと江戸前の寿司の握りを、すし銚子丸の寿司職人から各々直々に教えてもらえる。そして最後には、おいしいお寿司も待っている! となれば人気なのも頷けようってものだ。
当日、まずは30分の座学から。今回のイベントには『銚子丸』とともに、豊洲市場の水産仲卸「山治」も参加。ともに講師を務めてくれた。「海についての学び」、今回のテーマはふたつ、最初は「磯焼け」だ。
磯焼けとは何か? おそらくほとんどの読者も知らないと思うが、「海藻が茂っている藻場と呼ばれる海の草原から、海藻がなくなって砂漠化する」ことだという。ちなみに“藻場”にはプランクトンや小魚など小型生物が多数生息し、魚やイカなどの産卵場所にもなっている。水産資源の揺りかごみたいな存在だ。ところが各地でこれが砂漠化しつつあるという……。
映像を見たり、実際にダイビングでその様子を目の当たりした先生の話に子どもたちの眼差しが真剣さを帯びる。
なぜこんなことが起こるのか。その原因はいくつもあるそうだが、大きな理由のひとつが、海藻を食べる魚やウニなどによる「食害」だという。実はこれらの生物は海水温が低い冬の間はあまり活動しない(エサを食べない)のだが、冬も活発に活動するようになり、冬に芽吹いたばかりの海藻を食べてしまうから。
その理由は地球温暖化により海水温が上昇したことだ。ほかにも海洋ごみなどで海が濁って太陽の光が届きにくくなっているなどの原因もある。子どもたちの表情が曇る。記者だって悲しくなる。というわけで、今日から誰でもできる地球温暖化対策は何か、海洋ごみ対策は何かを学んでいくのだ。