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■結論:ハイブリッドの価格差を取り戻せるモデルは?

トヨタノアハイブリッド用のシャシー

この3車の中で、ハイブリッドとノーマルガソリンエンジンの実質価格差を最も短い距離で取り戻せる車種は、約5万6000kmのノアであった。価格差が35万円に収まり、ハイブリッドは購入時に支払う税額が13万円安く、実質価格差は22万円に縮まる。

しかもハイブリッドのWLTCモード燃費は、ノーマルガソリンエンジンに比べて50%以上優れているから、ハイブリッドのメリットが際立った。

ヤリスではハイブリッドの燃費向上率は60%以上だが、ノーマルガソリンエンジンも低燃費だから、比率が大きく違っても燃料代の差額は小さい。購入時に納める税額の違いも少ないため、実質価格差は約25万円でノアを上まわった。そのために燃料代の節約で実質価格差を取り戻せる距離も約8万kmまで伸びてしまう。

アルファードはハイブリッドの価格がノーマルエンジンよりも80万円高く、購入時の税額の違いを差し引いた実質価格差も約60万円に達する。ハイブリッドの燃費向上率は60%以上だが、実質価格差が多額で、燃料代の節約で取り戻せる距離も9万4000kmと長い。

以上のようにハイブリッドは全般的にミドルサイズが有利だ。コンパクトサイズはノーマルガソリンエンジンの燃費性能も優れ、燃料代の節約で価格差を取り戻しにくい。Lサイズはハイブリッドの価格が割高になりやすく、同様に価格差を取り戻しにくい。

文/渡辺陽一郎(わたなべ よういちろう):自動車月刊誌の編集長を約10年間務めた後、フリーランスに転向した。「読者の皆様にケガをさせない、損をさせないこと」を重視して、ユーザーの立場から、問題提起のある執筆を心掛けている。執筆対象は自動車関連の多岐に渡る。
写真/トヨタ

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渡辺陽一郎
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