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創業者は、北京で味を覚えた

創業時から愛される「ターロー麺」は史明氏が北京で覚えた味という。丼一面に広がるのは豚肉やハクサイなどの具を卵でとじた濃厚なとろみの餡。下に沈んだ麺を掴むと、持ち上げるのに気合いがいるほど餡がズッシリ絡む。そう、スープの上に餡が乗るのではなくスープそのものがとろとろの餡。

特製ターロー麺(北京大滷麺) 990円

『新珍味』特製ターロー麺(北京大滷麺) 990円 酸味、辛味、シビレが次々にくる旨さ。冬は圧倒的に注文が多くなるそう 

「このとろみが特徴で調整が難しい。とろみが足りないと麺が絡まないし、強すぎても固まるので、絶妙な加減を心掛けています」。

何度も確認しながら調整する顔は真剣そのもの。そりゃそうだ、70年の歴史を背負った、他では食べられない味なんだから。

蜜月に絡まり合う餡と麺をズズッと啜ると、まろやかな酸味の後からニンニクの香味とコショウのシビレ、唐辛子の辛味がガツンとやってくる。額に汗が滲む。でもこれがヤミツキになる旨さなんだよなあ。聞けば伝統の味を守りつつも、麺がのびにくいよう太めにするなどよりおいしくなる努力もしているそう。

昼下がり、1階のカウンター席では学生が麺を啜り、ビジネスマンが炒飯を掻き込んでいる。2階を覗けばテーブル席で定年組が酒盛りの真っ最中。

知ってか知らずか、深く複雑な店の歴史から生まれた伝統の味が、変わらず池袋西口で、何気ない庶民の日常を支えている。そんな懐深き雰囲気もまた、金田さんが守り続けるこの店の魅力なのだろう。

『新珍味』

池袋『新珍味』

[住所]東京都豊島区西池袋1-23-4
[電話]03-3985-0734
[営業時間]11時半~23時 ※金・土は~23時半、日・祝は~22時
[休日]無休
[交通]JR山手線ほか池袋駅西口などから徒歩3分

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『おとなの週末』2025年4月号

撮影/鵜澤昭彦、取材/肥田木奈々
※2024年12月号発売時点の情報です。
※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

…つづく「【保存版】絶品チャーハンのある町中華4選! “オムチャーハン”に玉子炒飯の概念が覆される」では、何を頼むか迷ったらぜひこれを!という絶品チャーハンのある町中華を実食レポートしています。

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おとなの週末Web編集部
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