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和歌山ラーメンは「和歌山中華そば」

そもそも、和歌山では「ラーメン」と呼ばずに、「中華そば」と呼ぶのが一般的だそうです。どの店の暖簾(のれん)にも書かれている「中華そば」の文字。和歌山の人にとって、「ラーメン」というと、それはインスタントラーメンがイメージされるといいます。

どの店にも「鯖の早寿司」や、「ゆで卵」が置かれており、これらは、中華そばが到着するまでの間に食べます。中華そばに寿司というと、ちょっと奇異に感じるかもしれませんが、和歌山では当たり前の光景で屋台時代から続いている習慣です。

和歌山では中華そばを待つ間、「早寿司」「早すし」と呼ばれる鯖寿司を食べる。屋台時代からの和歌山中華そばの習慣

また、和歌山では「なると」のかわりに、「カマボコ」がのるのが特徴で、なるとのような渦巻き模様の入ったカマボコを使う店もあり、彩りを添えています。

「井出商店」の中華そば。特徴はまろやかなスープ

戦前から伝わる屋台の中華そばのスープは澄んだ醤油味が主流。当時市電の車庫があった場所が一番の繁華街で、その車庫の前に軒を連ねる屋台の中華そば店が大繁盛していたことから、澄んだ醤油味の系統を“車庫前系”と呼びます。対して、「井出商店」に端を発する戦後派のとんこつ醤油味を“井出系”と呼び、和歌山中華そばの味は、はっきりこの2系統に分類されます。

「井出商店」の中華そばの特徴はスープにあります。豚骨を強火で沸騰させるため、骨の髄からゼラチンが溶け出し、スープと脂をとろりと乳化させます。このため醤油味がうまくマスキングされてまろやかな口あたりとなります。麺はストレートの細麺。具材は和歌山中華そばの特徴でもあるカマボコにチャーシュー、メンマ、青ネギといたってシンプル。

和歌山では〝井出系〟と呼ばれる「井出商店」のとんこつスープ

屋台時代からの素朴さそのまま、それが「井出商店」の中華そばなのです。

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1998年出店時の裏話...
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おとなの週末Web編集部
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