×

気になるキーワードを入力してください

SNSで最新情報をチェック

テストで抜群の運動性能を発揮!!

ハンドリングについて一部酷評されることになった2代目MR2だったが、抜群の運動性能を持っていたのは間違いない。自動車雑誌『ベストカー』でのテスト結果(1990年1月10日号掲載)を書いておく。

■ゼロヨン加速:13秒50
日産スカイラインGT-R(R32)の12秒98、初代スバルレガシィRS RAの13秒46に次ぐ歴代3位

■0-100km/h加速:25秒11
日産スカイラインGT-R(R32)の24秒51に次ぐ歴代2位

■最高速:242.3km/h
日産フェアレディZツインターボ(Z32)の256.8km/h、日産スカイラインGT-R(R32)の248.0km/hに次ぐ歴代3位

■筑波ラップタイム:1分10秒68
日産スカイラインGT-R(R32)の1分7秒63に次ぐ歴代2位

 2.6L、直6ツインターボ+4WDの日産GT-R(R32)は別格としても、2Lのミドシップスポーツ(後輪駆動)としては強烈なポテンシャルだったことは一目瞭然だ。

GT-Rにはかなわなかったが、2Lターボとしては驚異的な運動性能を誇った

スポーツカーを熟成させる

2代目MR2に転機が訪れるのは1991年。マイナーチェンジによってデビュー時に指摘されていたネガを潰してきた。デビュー時が1型で、1991年のマイチェンモデルが2型となる。これ以来、2代目MR2は改良を重ねていく。2代目MR2の度重なる改良によってどんどん熟成されていき、最終的には5型まで存在する。スポーツカーは出すことよりも、その後に手を入れて熟成させることのほうが重要と言われるが、トヨタはそれを実践。効率主義のトヨタながら、数の見込めない2代目MR2でそれをやったのが凄い。未完のまま終わらせるわけにはいかないという意地だろう。スポーツカーの熟成という点でトヨタは86、GR86で頻繁に手を入れて進化させているが、2代目MR2で培われた。トヨタのスポーツカーでロングライフのモデルがそれまでなかったこともあるが、2代目MR2はいろいろな点でトヨタとしては異例だったと言えるではないか。

走りのポテンシャルは2型で激変、3型でさらに進化、そして4型、5型で熟成された

2型ではホイールサイズ、タイヤ幅とも大径化され205/55R15、225/50R15にサイズアップ。当然ネガとして指摘されていたブレーキは大径化され容量アップ。そのほか、サスペンションの見直しもされていた。サスペンションは、フロントはストローク量を増やし、リアサスについてはほとんど新設計で、サスペンションアームの延長&取り付け位置変更、アライメント変更などかなり大掛かりなもの。スタビライザーを追加して剛性も確保されていた。

1型で不評だったハンドリングも改良により一転評価が高くなりマイチェン成功。2代目MR2はより限界の高いミドシップスポーツへと生まれ変わった。

ボディサイドのモールが黒い2型のデザインが最も好きという人は少なくない

思い出深い一台

筆者はこの2型のMR2を約2年間乗っていた。とっても自分で購入したのではなく、当時付き合っていた彼女が2型のターボ(Tバールーフ)を新車で購入したからだ。街中でのドライブ、長距離ドライブなど、運転席、助手席でいろいろ経験。非常に思い出深いクルマの一台だ。

初代MR2では狭い!! と思っていた室内は2人で乗るには広いくらいで快適だったし、リアシートの後方には外したTバールーフを置く場所のほかちょっとしたに持つも詰めて便利だったこと。ただ、Tバールーフは開けた時は気持ちいいのだが、脱着が面倒なのでほとんど外さなかった。しかも切れ目にホコリ、ゴミがたまるなど印象はあまりよくない。走り屋にとっては剛性が落ちると不評だった。

Tバールーフを開けた時の気持ちよさは魅力的だが、脱着作業が面倒だった

走りではターボパワーの気持ちよさ、街中を走っていても交差点、住宅街のクランクを曲がるだけでも気持ちよかったなど印象的。ミドシップはフェラーリ348に乗っていた時にも痛感したのだが、ミドシップはエンジンがフロントにないため、高速道路でフロントの接地感があまりなく、ステアリングインフォメーションも少ないので少々不安になることもあったけど、慣れれば問題なかった。

インパネ類はもう少しスペシャル感が欲しかった
次のページ
中古車は手を出しにくい...
icon-next-galary
icon-prev 1 2 3 4 5icon-next
関連記事
あなたにおすすめ

この記事のライター

市原 信幸
市原 信幸

市原 信幸

最新刊

海外のみならず、国内の移動にもますます活用されている空港。搭乗までの時間や、トランジットの合間などな…