中古車は手を出しにくい
たまに街中で2代目MR2を目にするが、ほとんどはリアコンビに丸灯が組み込まれた3型以降と言った感じで2型を見るケースはまれだ。現在販売されている中古車を見ても、1型、2型はほとんどない。小さくて今見てもスポーツカーらしいデザインの2代目MR2は中古で買って乗りたいクルマの一台なのだが、1990年代のジャパニーズスポーツカーが軒並み高くなっているように2代目MR2も例外なく高騰中だ。
価格の高い安いはそのまま程度と考えていいのだが、下は60万円前後から購入できるが、高いものだと700万円近い個体も存在する。まぁ、中古車としては当たり前のピンキリではあるのだが、最大ボリュームゾーンは250万~300万円といったところだろうか。
最終モデルでも25年経過していること、20万km近い過走行車両が多いことを考えると手は出しにくい。
この手のクルマが100万円をきるようになり、免許取り立ての若者が練習用に買う、というのが筆者の若い頃では当たり前だった。その可能性が限りなく小さい現代が悲しい。
MR2復活か!?
2代目MR2は改良を重ねスポーツカーとして熟成されていったが、景気後退の影響は無視できないレベルで襲ってきた。1993年の3型登場後に受注生産になってしまった。販売面では苦しい状態が続いているにもかかわらず、1996年の4型、1997年の5型へと進化させるなど、手を入れ続けたトヨタの姿勢には敬服する以外ない。最終的には1999年に生産終了となり、その後ミドシップオープンのMR-Sにバトンタッチ。
日本では2代目で終焉となったMR2が復活する気配がある。時代の流れから1000万円オーバーとなることが確実視されているが、どんなクルマなのか楽しみではある。
【トヨタMR2 GT主要諸元】
全長4170×全幅1695×全高1240mm
ホイールベース:2400mm
車両重量:1240kg
エンジン:1998cc、直4DOHCターボ
最高出力:225ps/3200rpm
最大トルク:31.0kgm/3200rpm
価格:263万8000円
【豆知識】
自動車雑誌『ベストカー』ではどこよりも早く、トヨタのミドシップスポーツの存在をスクープしてきた。ミドシップということ、車名復活、オマージュしたモデルが流行っていることもありMR2復活と謳っている。新開発のトヨタ新世代2Lエンジンを搭載するミドシップ4WDスポーツだ。初期ではMR2とセリカの2台が復活するという情報もあったが、最新では一台のみとなっている。MR2となるか? セリカとなるか? はたまたまったく別の車名になるのかお楽しみに!!
市原信幸
1966年、広島県生まれのかに座。この世代の例にもれず小学生の時に池沢早人師(旧ペンネームは池沢さとし)先生の漫画『サーキットの狼』(『週刊少年ジャンプ』に1975~1979年連載)に端を発するスーパーカーブームを経験。ブームが去った後もクルマ濃度は薄まるどころか増すばかり。大学入学時に上京し、新卒で三推社(現講談社ビーシー)に入社。以後、30年近く『ベストカー』の編集に携わる。
写真/TOYOTA、FERRARI、ベストカー