全国のラーメンの名店が出店する「新横浜ラーメン博物館」(ラー博)は、年間80万人以上もの客が訪れる“ラーメンの聖地”です。横浜市の新横浜駅前にオープン後、2024年3月に30年の節目を迎えましたが、これまでに招致したラーメン店は50店以上、延べ入館者数は3000万人を超えます。岩岡洋志館長が、それら名店の「ラーメンと人が織りなす物語」を紡ぎました。それが、新刊『ラー博30年 新横浜ラーメン博物館 あの伝説のラーメン店53』(講談社ビーシー/講談社)です。収録の中から、“京都ラーメン最古のお店”ともいわれる京都市の「新福菜館(しんぷくさいかん)」を紹介します。
麺は中太、はっきりした味の黒いラーメン
私たちがラー博を開業するまで、「京都ラーメン」というと薄くちであっさりした味わいをイメージしていました。ですが、初めて食べた「新福菜館」の濃いくちで、はっきりした味のラーメンは、真逆の味でびっくりしたのを覚えております。
私の持論として、長く繁盛しているラーメン店は、必ず麺に特徴があると思っています。京都で最古参の中華そば専門店として親しまれる「新福菜館」の麺もそうです。低加水で中太の特徴ある麺で、濃いくち醤油の黒いスープと本当にマッチし、無性に食べたくなる中毒性を持っています。ラー博オープンの3年後、1997年8月から、2002年11月まで出店いただいたお店です。
【「新福菜館」過去のラー博出店期間】
・ラー博初出店:1997年8月1日~2002年11月30日
・「あの銘店をもう一度」出店:2023年7月18日~2023年8月7日