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エリザベス女王みずからいれたティーのお味は?

2005年の夏、在英日本国大使館にエリザベス女王陛下から彬子さまあてへ、バッキンガム宮殿へのお招きの連絡が届いた。彬子さまのオックスフォード大学の指導教授が、彬子さまのご様子を宮殿サイドに伝えていたことから実現したのであった。

彬子さまにとっては、突然のお招きである。「えっ」と言ったまま絶句する彬子さま。さて、いったい何を着ていけばいいのか? 帽子や手袋は? そもそも何の話をしたらいいのか。誰かに聞こうにも女王陛下と対面で話をした友人などいないし、不安でいっぱいになりながら当日を迎えた。

日本大使館から差し回しの黒塗りの車に乗り、バッキンガム宮殿に向かう。宮殿の中に入ると、まず女王陛下が飼っているたくさんのコーギーがお出迎え。走り回る犬たちとともに、大きな窓から庭が見える明るい部屋に通されると、エリザベス女王陛下が待っていてくださった。

エリザベス女王は彬子さまににこやかに手を差し伸べて握手を求め、ソファーに誘ってくれる。少ししてやってきた給仕は、テーブルにティーセットとお菓子の乗った銀の皿を置くと、下がってしまった。

「どうしたらいいの? お茶、私がいれるの?」

頭の中でぐるぐる思考がまわる彬子さま。するとエリザベス女王がさりげなくお茶をいれ、お菓子をすすめてくださったのだ。そのお姿が彬子さまの祖母の百合子さまと重なり、彬子さまは少しだけ緊張がほぐれた。

1時間ほどの、女王陛下と彬子さまの2人きりのアフタヌーン・ティー。女王陛下のいれてくださったお茶は、どんなお味だったのだろうか。

緊張しきっている彬子さまのために、エリザベス女王は楽しい話題を振ってくれた。孫のウィリアム王子やヘンリー王子の話をするときには、ほんとうに柔和な「おばあちゃま」のお顔になられるのが印象に残ったという。

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外はカリッと、中はしっとりほわほわ、ほんのり甘い絶品スコーン...
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高木 香織
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