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県営鉄道の痕跡を求めて

現在の久留里線は、一部の区間を除き県営鉄道時代の軌道敷をそのままに使用している。この一部の区間とは、軽便鉄道(レール幅762mm)から現在のレール幅(1067mm)に改軌した時に線路を付け替えた小櫃駅〔おびつえき/君津市末吉〕と俵田駅〔たわらだえき/君津市俵田〕の間のことである。つまり、この区間には「軽便鉄道の痕跡」が遺されているわけだが、線路を付け替えてから95年もの歳月が経っており、果たして巡り会えるのだろうか。

軽便鉄道の時代、この駅間の線路は「S字」を描くように蛇行していた。それを改軌の際に、直線となるように線路の付替えが行われた。この区間には大小2つの橋梁があり、このうち御腹川にかかる橋梁付近には、JR久留里線の線路と並行して軽便鉄道時代の橋台が遺されている。しかし、川の周囲は木々や竹藪が覆い茂り、現状の久留里線の橋梁(鉄橋)すら確認することができない状況だった。もう一つの小さな橋梁も尋ねてみたが、残念ながら軽便鉄道の痕跡を見つけることはできなかった。

JR久留里線の小櫃(おびつ)駅の駅舎。この可愛らしい簡易駅舎は、国鉄時代の1980(昭和55)年に建設されたもので、築45年が経過している=2025年6月6日、君津市末吉
この小さな橋台は、おそらく改軌の際に造られたものと思われ、周囲に軽便鉄道時代の痕跡を見つけることはできなかった=2025年6月6日、君津市末吉
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