廃止議論の渦中にある久留里線
久留里線の末端区間となる久留里駅と上総亀山駅(9.6km)の間には、平山駅と上総松丘駅の2駅が存在する。この区間は、先の大戦中となる1944(昭和19)年から戦後の1947(昭和22)年まで「不要不急路線」に指定され、運行が休止されたこともあった。これと現状が合致するわけではないが、この区間は現在、バス転換による廃止議論の渦中にある。千葉県君津市は、「JR東日本の廃止方針を受け入れ、協議を進める」ことを表明しており、“廃止”は避けられない状況にある。
“廃止反対”の声があるのも事実で、沿線のいたる所には「久留里線をまもろう!」と書かれた”のぼり旗”が散見される。過去、北海道のローカル線を廃止する際に、その協議のためJRを訪れた関係者に対し、「今日はどうやってここまで来ましたか」と聞いたところ、「クルマで来た」と答えたそうで、「それなら鉄道の必要性はないですね」という、笑い話にもならない逸話がある。「久留里線と地域を守る会」は、今年(2025/令和7年)の3月に君津市議会あてに「廃止区間9.6km存続の陳情書」を提出したが、賛成少数で不採択となった。未だ具体的な廃止日が示されたわけではいないが、「乗って残そうローカル線」の願いは、聞き入れられるのであろうか。