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ギリシャ文字にシビれた!!

ギャランΛはギャランΣの半年後となる1976年11月にデビューを飾った。車名のΛは英語のラグジュアリー(Luxury)の頭文字Lにあたるギリシャ文字のΛに由来している。つまり、三菱自動車の歴史において初となるラグジュアリークーペを目指して命名されたのだ。一方ギャランΣは総和、集大成(Sum)の頭文字のSにあたるギリシャ文字のΣが与えられている。

スラントしたノーズがいかにもアメリカンなイーグルマスクといった感じで人気となった

当時小学生だった筆者はこのギリシャ文字のカッコよさにシビれたものだ。ほかの日本車とはと違う外国の匂いがしていたように感じたのだ。

クルマ界でギリシャ文字といえばアウディだろう。AUDIまたはAudiと表記されるが、正式にはAuδiでdの部分はギリシャ文字が使われている。そのほか車名で言えばランチアの専売特許にもなっている。アルファ(α)、ベータ(β)、ガンマ(γ)、デルタ(δ)、カッパ(κ)、イプシロン(υ)、ゼータ(ζ)などギリシャ文字そのままの車名が数多く存在している。

ランチアはギリシャ文字を好んで使うメーカー。写真はベータクーペ

デザインと機能の融合

当時の三菱自動車のクーペのラインナップは、スポーツモデルのギャランGTO、その弟分的存在のギャランクーペFTOの後継として登場したランサーセレステがあったが、ギャランΛは三菱初のラグジュアリークーペとして登場。少数精鋭の三菱ながらクーペが充実していてどれもが個性を放っていた。

三菱のスポーツイメージを確立したギャランGTO

ヨーロピアンテイストを纏ったギャランΣとは対照的にアメリカンなデザインが特徴。フロントマスクは前述のとおりギャランΣが逆スラントノーズなのに対し、ラムダはスラントノーズを採用。特徴的な角4灯ヘッドライトは日本車で初採用だ。この4灯ヘッドライトだが、ツライチではなく微妙に段差が付けていること、さらにグリルはセンター部分で前面につまんだような複雑な形状をしていた。

ボンネットの先端にマスコット的にエンブレムが装着されていて高級感をうまく演出していた。

段差がつけられたヘッドライト、中央が前面に飛び出したグリルなどデザインは凝っていた

さらに当時としてはリアウィンドウがボディサイドに回り込んでいるラップアラウンドリアウィンドウも画期的なデザイン処理だった。

ギャランΛはとにかく当時の日本車にない新しさを前面にアピールしていたのだが、スラントノーズもラップラウンドウィンドウ、リアピラーの処理などもエアロダイナミクスを考慮して誕生したもので、デザインと機能の融合でもあった点が特筆なのだ。

スポーツモデルは排ガス規制で消滅

エンジンはギャランΣが1.6L、1.9L、2Lと3種類の直4エンジンをラインナップしていたのに対し、デビュー時ギャランΛは2Lのみという割り切った設定だったが、後に1.6L、スペシャルティ感をアピールするために2.6Lが追加された。2.6Lは後にスタリオンにも搭載されたエンジンだ。

ギャランGTO同様に最もスポーティなグレードにはGSR(Grand Sport Racigの意味)が設定されていた。

しかし、この時期は排ガス規制が強化されスポーツモデル受難の時代。ギャランΛもスポーティな1600GS、2000GSRは昭和51年排ガス規制はクリアしていたもの昭和53年排ガス規制に適合できず消滅の憂き目にあっている。

ボディサイドまで回り込んだリアウィンドウが当時斬新だった。リアコンビのデザインも秀逸
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1本スポークステアリングを日本車初採用
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市原 信幸
市原 信幸

市原 信幸

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