東京・清澄白河界隈のパンブームを牽引した「TruffleBAKERY トリュフベーカリー」。今でも夕方には売り切れてしまうシグネチャーメニュー(看板商品)、白トリュフの塩パンが大人気のお店だ。2017年12月の1店舗目の開業から、現在は全国に26店舗(2025年7月現在、姉妹店含む)を展開。2024年12月には香港にもオープンし、海外初出店を果たすなど急成長を遂げている。2025年7月には、山梨・南八ヶ岳にパンの開発拠点を移転。ベーカリーとカフェを併設した「TruffleBAKERY 南八ヶ岳」が開業するなど新たな挑戦が始まっている。
急成長の秘訣は「ちょうどいい価格帯」 欧州への出店も視野に
トリュフベーカリーは、6月の新宿店、7月の南八ヶ岳店とオープンが続き、さらに今後はシンガポールや台湾をはじめとする海外出店も約10店舗ほど予定しているという。同店を運営する『ドレステーブル』(本社・東京)の代表取締役CEO、丸岡武司さんに、勢いを増す人気の背景について話を伺った。
「高級過ぎず、チープ過ぎる事もない。材料にこだわり満足してもらえる品質と、それに伴う絶妙な価格のバランスが、多くの方に受け入れられた最大の理由だと思います」
将来的にはヨーロッパへの出店も視野に入れているという。
「今の日本のパンの美味しさのレベルは、世界的に見ても非常に高いと思うんです。以前は、パンといえば本場のヨーロッパが圧倒的に上だと感じていました。しかし先日ヨーロッパを訪れた際に、日本のパンがそのレベルにしっかり並んでいることを実感したんです。だからこそ、この日本のパンの美味しさをもっと世界中の人に知ってもらいたいと改めて強く思いました」
7月4日に移転、3000坪の敷地の「TruffleBAKERY 南八ヶ岳」
7月4日には、パンづくりに重要なパンの40%以上を占める “美味しい水” を求めて、開発拠点を東京・門前仲町から、発酵に適した良質な天然水が湧く山梨・南八ヶ岳へ移転。名水百選にも選ばれたこの地で、さらなるパンづくりの高みを追求していくという。早速現地まで行ってみた。
東京から車で約2時間半、清里の先にある緑豊かな高原に突如現れる3000坪の敷地の「TruffleBAKERY 南八ヶ岳」。入り口のアーチは秘密基地のような雰囲気もあり、高揚感が増す。
奥へ進むとそびえ立つのはラボ兼ベーカリースペース。トリュフベーカリーを象徴する赤レンガが、八ヶ岳の木々の深い緑と美しいコントラストを描いている。窓のない要塞のような雰囲気にちょっとした冒険心をくすぐられながら、扉を開いた。