直線基調の無骨なデザイン
初代ステージアのデザインで特徴的なのはワゴンボディが強調される伸びやかなルーフライン。Aピラー後方からリアエンドまでほぼ一直線なので、4800mmの全長よりも伸びやかな印象を与えた。ボディサイドも直線基調、フロントマスクは大型のグリルの両端に片側丸2灯を組み込んだ異形ヘッドライトというシンプルフェイス。レガシィツーリングワゴンを意識して窓枠のないサッシュレスドアを採用したが、ワゴンとしては少数派。
デザインに対する評価、印象は人によって大きく違うが、初代ステージアのデザインは当時の筆者の印象としては、高級感はほとんど感じなかった。よく言えば実用性を重視した質実剛健となるだろうが、色気など皆無で無骨にしか見えなかった。初代ステージアがデビューした時には輸入車ステーションワゴンの代名詞ともなっていたボルボ850はモデル末期だったが、同じ直線基調でも天と地ほどの差を感じた(850のほうがオシャレ)。
没個性というユーザーの声にこたえる形で、1998年のマイチェンでは独立タイプの丸4灯ヘッドランプに大胆変更。無難だった前期モデルに対し、後期モデルはアクが強かったため好き嫌いがわかれた。ちなみに筆者は前期型のほうが好きだ。
インテリアは高級感をうまく演出
一方インテリアはスカイライン、ローレルに準じたものとなっていたのでエクステリアに比べると高級感をうまく演出していた。インパネはスポーティな感じに仕上げられて、シート地、カラーにこだわるなどスポーティ感と高級感を巧みにミックスさせていた。レガシィツーリングワゴンは内装の質感という点では満足度は高くなかったが、高級ワゴンを歌うだけあって初代ステージアの勝ちだっただろう。
1980年代までの日産のインテリアは『絶壁』と揶揄されたセンターコンソールが立ったデザインが多かったが、S13シルビアあたりから大きく変わり、それは初代ステージアにも受け継がれていた。
ステーションワゴンのキモであるラゲッジについては、高級ワゴンだけあって当時としては少数派だったバタンとリアゲートを閉じなくても最後にモーターが巻き込むオートクロージャーを売りとしていた。
リアシートは6:4の分割可倒タイプで、リクライニングするので快適。改めて調べてみると、なんと8段階に調整可能だった。そしてそのリアシートを倒せば、最大1475Lという大容量のラゲッジスペースが出現。ワゴンとしての使い勝手は優れていた。
ベストカーの社用車として活躍
初代ステージアはかつて筆者が所属していた自動車雑誌『ベストカー』の編集部のアシ車(社用車)として大活躍していた。社用車のグレードは25X FOURという2.5L、NAで4WDの前期型の改良前のモデル。
そのためいいところも欠点も自分のクルマのように熟知している。当時のベストカー編集部は自分のクルマを乗る時間がないような激務だったこともあり、筆者は取材などかなりの距離を乗った。仕事柄クルマでの移動が多く、一般道、高速道路を使っての長距離移動、ワインディング、未舗装路などなどいろいろなケースで使ってきた。
デザインのところで辛辣な評価となったのは、愛車のように接してきていたからだ。