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ハイテク技術満載!!

エンジン以外にも2代目レパードには画期的な技術を惜しみなく投入されていた。まずはアルティマに搭載された電子制御のスーパーソニックサスペンション。これは超音波センサーを使って路面の状況を瞬時に察知して、フロントサスペンションのショックアブソーバーの減衰力をリニアに変更するというもの。ブルーバードマキシマ、セドリック/グロリアに次ぐ採用でトヨタのTEMSに対抗する技術だ。スポーツモデルのXS系は、3段階切り替え式のショックアブソーバーとなっていた。

そのほかでは車速感応式のパワーステアリング、今でいうABSのような効果を発揮する4WAS、カードエントリーシステムといったハイテク(←当時はこう呼んでいた)技術、先進装備満載だった。

足回りの基本設計の古さは隠せなかったが、スーパーソニックサスペンションなどで応戦

当時日産の持っているいいものを採用

インテリアに目を移すと、まず特徴的なのが当時流行していたデジタルメーターパネル(略してデジパネ)を全グレードに採用したこと。各メーカーとも大衆車から高級車までデジパネを装着するモデルが多数あったが、2代目レパードはタコメーターを立体表示するなど当時かなり先進性があり、ライバルに対するアドバンテージとなっていた。

デジパネは新しさにあふれるが、そのほかのデザインは少々無機質

当時筆者はそのよさを理解していなかったが、ダッシュボードなどにソフトパッドが張り巡らされていた。こういう目立たないところをまじめにやっているのが当時の日産だったのだ。それに対しトヨタは目立たないところは手を抜くというイメージだった。

シートもウール地のシートの泣き所である静電気対策として帯電防止処理を施したり、助手席にはパートナーコンフォートシートを命名された中折れ機能付きのシートとなっていたりと、至れり尽くせり。メカニズム、装備ともレパードが初のものばかりではないが、当時日産の持っているいいものはすべてレパードに採用されと言っていい。

静電気帯電防止処理を施すなど高級感を演出。ソフトパッドを多用していたのは当時としては画期的

日本中のクルマ好きが対決に注目

当時のクルマ好きはクルマ雑誌に掲載されるゼロヨン(0-400m加速)テストなどを心待ちにしていた。そう、2代目レパードの登場のお楽しみといえば、宿敵2代目ソアラとの全面対決だ。デビューしたのがわずか1カ月のタイム差ということで条件はイーブン。さて、どっちが勝ったのか? ここでは自動車雑誌『ベストカー』の1986年4月26日号(3月26日発売)での対決テストの結果を引用する。

3Lを搭載した期待のアルティマはソアラの2L、NAにも動力性能で負けた

【0-400m加速】
■ソアラ3.0GTリミテッド(3L):14秒55
■ソアラ2.0GT(2L):15秒37
■レパードアルティマ(3L):16秒36
■レパードXS-II(2Lターボ):16秒89

【0-1000m加速】
■ソアラ3.0GTリミテッド(3L):26秒67
■ソアラ2.0GT(2L):28秒33
■レパードアルティマ(3L):29秒81
■レパードXS-II(2Lターボ):31秒48

【0-100km/h加速】
■ソアラ3.0GTリミテッド(3L):6秒77
■ソアラ2.0GT(2L):8秒18
■レパードアルティマ(3L):9秒46
■レパードXS-II(2Lターボ):9秒53

レパードの完敗だ!! レパードのトップグレードの3L、V6を搭載するアルティマは、ソアラの2LのNAエンジン搭載モデルにさえ負けてしまった。当時のトヨタ党は喜び、日産党は落胆していた姿が目に浮かぶ。

3L、2Lの両NAとも抜群の動力性能を誇った
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ソアラのライバルになり得ず
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市原 信幸
市原 信幸

市原 信幸

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