旬の食材は食べて美味しいだけではなく、栄養もたっぷり。本コーナーでは魚や野菜、果物など旬食材の魅力をご紹介します。
さて、今回のテーマとなる食材は?
文/おと週Web編集部、画像/写真AC
■種がない!?
正解:スウィーティー
難易度:★★★☆☆
イスラエル生まれです
スウィーティーは、グレープフルーツとブンタン(ポメロ)を交配して生まれた柑橘類で、見た目はグレープフルーツに似ていますが、味や香りは異なります。
アメリカ・カリフォルニア州の大学の柑橘類研究所で1958年に誕生し、1984年にイスラエルに導入されてから「スウィーティー」という商品名で流通するようになりました。
アメリカ産は「オロブロンコ」、イスラエル産が「スウィーティー」と呼ばれ、果皮の色もオロブロンコは黄色、スウィーティーは濃い緑色をしています。
熟しても果皮が濃い緑色のままというユニークな特徴がありますが、これはイスラエルの気候によるものです。
イスラエルは冬でも比較的暖かく、果実の葉緑素(クロロフィル)が分解されにくいため、熟しても果皮が黄色くならず、緑色が残ります。
一方、アメリカのカリフォルニアなどでは気温差が大きく、葉緑素が分解されやすいため、オロブロンコは黄色っぽくなる傾向があるのです。
旬は11月から2月で、冬の寒い時期に出回る季節限定の果物です。日本では愛媛県などでわずかに栽培されていますが、ほとんどが輸入品です。
食味の特徴は、爽やかな甘さにあります。見た目の濃い緑色からは酸味や苦味を想像しがちですが、実際にはグレープフルーツよりもずっと甘く、苦味もほとんどありません。そのため、グレープフルーツが苦手な人や子どもにも好まれる傾向があります。
種がなく食べやすいのもうれしいポイントです。果皮と果肉の間の白い部分が厚いため、見た目のサイズに比べて果肉はやや少なめですが、そのぶん、一粒一粒の味が濃く感じられます。
そのまま食べるのが定番ですが、ジュースやゼリー、シャーベットなどの加工品にも使われます。



