雪に強かったロードスター、編集長の思い出
ユーノスロードスター(初代)に、乗っていた時期がある。ボディカラーは、シルバーストーンメタリック。社の先輩が新車で購入し、2年ほどたってから譲ってくれた。1990年代前半の頃だ。取材活動で毎日のように乗り続け、2001年春まで愛車だった。
乗り始めた当時は、新潟で新聞記者をしていた。冬期、住んでいた新潟市内などの沿岸部が大雪になる日はそれほどなかったと記憶しているが、それでもやはり雪は積もった。ロードスターの前は4WDの社有車だったので、後輪駆動のオープンカーで大丈夫なのか、と不安だったが、まったくもって杞憂に終わった。新潟で約3年間(暮らしたのは4年間)、毎月2000キロから3000キロほど走った経験から言うと、ロードスターは雪に強かった。
そう最初に実感したのは、圧雪の跨線橋を苦も無く上っていった時だ。前方にいた前輪駆動の乗用車が滑りながらそろそろ走っていくのが見えたあとだった。恐る恐る進むと、タイヤがしっかりと路面を捉え、スリップすることなく坂を越えた。
■前後重量配分50:50のバランスの良さ
素人考えだが、大きな要因は前後重量配分が50:50のバランスの良さにあるのではないか。荷重が均等に4本のタイヤにかかり、グリップがきちんと効いたのだろう。マニュアル車ならではの小刻みなエンジンブレーキ操作も、下り坂では有効だった。
もちろん、スタッドレスタイヤの性能も大きい。仲良くしていたディーラーの整備士が、「ヨコハマがいいですよ」と勧めてくれたのだが、静音性に優れながら高いグリップ力を発揮してくれた。
■大雪の山越えも難なく走行
「助けられた」と心底思ったのが、正月の“山越え”だ。大晦日と年始を、長野市内の友人宅で過ごしたのだが、スキー場に行く坂もまったく問題ない。新潟に帰る日は、運の悪いことに大雪だった。長野と新潟の県境を越えて上越方面に向かう国道にはかなりの量の雪が積もり、坂道のカーブでは道路脇の山肌などに突っ込んだクルマを何台も見た。正直、怖かった。しかし、ロードスターは一度もスリップすることなく、平野部にたどり着いた。
新潟市内までの高速道路も100キロ以上ほぼ圧雪状態。しかも、夜間で吹雪だったが、安定した走行で無事に帰宅することができた。
もう30年も前の体験だが、記憶は鮮明だ。4WDにも負けないような安心感があった。雪国でこんなに日々走ったにもかかわらず、無事故で過ごせたのは、初代ロードスターのお陰だ。感謝の気持ちは今も薄れない。
おとなの週末Web編集長、堀晃和



