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一生付き合える!?自分だけの一膳を求めて

いい箸の長さは一咫半(ひとあたはん)

東京が誇る道具街、合羽橋で出会った割り箸バイヤーは、「いい割り箸は割った時の音でわかる。ドアを閉めた時の音で車の値打ちがわかるのと一緒よ!」。

そんなトリビアもある箸界隈だが、やはり長く使う、自分だけのお気に入りの一膳を手に入れたいもの。ちょうどよい箸の長さは親指と人差し指を直角に開いた長さ、これを「一咫(ひとあた)」という単位で呼ぶが、それの1.5倍(一咫半)だ。

親指と人差し指を直角に開いた長さを一咫(ひとあた)と呼ぶ。一咫半がちょうどよい箸の長さだ

これが目安だが、最近では長めの箸を好む傾向も。

「元来、22.5cm〜23.5cmが男性向け、20.5cm〜21.5cm位が女性向けの標準的なサイズでした。しかし最近、男性向けを24.0cm、女性向けを22.0cmとして、当店では箸を作ることが多いです。男女ともに手のサイズも身長同様大きくなってきたのでは」(『銀座夏野』佐藤俊樹代表)。

昔は正月の神社で南天の箸を買う風習もあったが、現代では廃れてしまった。それでもお祝い事として人生の変わり目に買う人が多いという。

前出の佐藤さんは「今は良質のものを選んで買うことができる。やがて箸職人がいなくなると、今のクオリティーの箸が消えます。きっと大量生産の輸入物では物足りないはず。使い心地のよさが違いすぎるんです。我々の手が、既にいい箸の感触を知ってしまっていますからね」と話した。

おはしと同じくらい奥深い“ようじのはなし”

お箸とともに日本の食卓に欠かせない歯間を掃除したり、食材を刺したりするための道具が楊枝だ。平安時代(538年)に仏教とともに仏教医学のひとつとして、楊枝で口腔をきれいにする方法として伝えられたとされる。一般に広まったのは江戸時代になってからで、井原西鶴の『日本永代蔵』の中では、楊枝を加えて遊びに出かける様子が“粋”として描かれてもいる。

職人手作りの黒文字の極細楊枝を桐箱に入れた「上角楊枝 千両箱入」(20本入・1870円)※黒文字の楊枝専門店、日本橋『さるや』で購入

箸同様に楊枝にも色々な材質がある。安価で一般的に出回っているのが白樺。竹は白樺より丈夫で潰れにくい。が、その香りなどから高価な楊枝といえば、クスノキ科の低木落葉樹・黒文字を使ったものだ。山椒や柑橘を思わせる香りの良さ、しなやかな弾力などから広く使われてきた。

(手前から時計回りに)漆塗りの「爪楊枝」(10本入り・330円)。漆を塗ってあるため、果実を食べたりした後で、洗えば何度も使える、「梅」、「うなぎ」 茶席などで使いたいお菓子用の「細工楊枝」(2本・660円)、「極細楊枝」(100本入り・330円)。竹で作ってあり、その細さから歯間の清掃が容易、6cm程度の黒文字の楊枝が5本入る「豆楊枝入れ」(1100円)

しかし楊枝職人が減少してしまい、今では高価なものになってしまったそうだ。機械で削ったものも悪くはないが、本特集を機会に職人が手作りした楊枝を試してみては?

撮影/鵜澤昭彦、文/輔老心、編集部(ようじのはなし)

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

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