日本野菜ソムリエ協会が「生で食べておいしい野菜の日本一を決める」という、シンプルかつ明快なコンセプトの品評会を初めて開催した。5月20日に東京・池袋でおこなわれた「全国サラダ野菜選手権」では、全国の産地から集まった19品を野菜ソムリエ資格保持者16名が生のまま試食。産地も品種も生産者名も伏せた状態で、評価員それぞれの主観だけで採点した。トマト、パプリカ、水なす、ビーツと品目も異なる無差別級の戦いの結果、最高金賞に輝いたのは三重県木曽岬町の花井トマトファームが出品した『長寿の源』だった。
「口いっぱいに広がるトマトの甘さ」——評価員が見出した魅力とは
最高金賞に選ばれた『長寿の源』に対し、評価員からは「甘みと旨み、酸味、風味が一体となってよく調和していた」「トマトを主役にしたサラダで食べたい」といった声が集まったとのこと。花井トマトファームは独自ブレンドの堆肥で土づくりから始め、受粉に蜂を使わず、収穫する色を気候に合わせて変えるなど、とことん味を追求して育てているとのこと。生産者も「付け合わせではなく食べやすいサイズにカットして他の野菜と一緒に食べて欲しい」とコメントしている。
次いで金賞は熊本県八代市・宮島農園の「フルーツパプリカ(赤)」。「ガブッと食べられるのでガブリエルと名付けた」と生産者が話すほど生食に特化して育てたパプリカで、評価員は「主役になれるパプリカ」と絶賛した。銀賞には大阪府貝塚市・北野農園の「泉州水なす」と、福岡県久留米市・株式会社ならはら菜園の「レッドビーツ」が並んだ。
会場を取材した筆者もいくつかの野菜を試食させてもらう機会を得たが、どれも非常に味が濃く、ビーツも土臭さは皆無で薄切りでも歯ごたえの中に上品な甘みがはっきりと広がった。実のところ、心のなかでは「出品料1万5400円を支払った生産者の19品だけで日本一と言うのは大丈夫なのか…?」と疑問符が浮かんでいたのだが、食べてみて気付いたのは逆に「自信があるから費用を払ってでも客観評価に臨めるのだ」という事実。生産者の皆さんのご努力が、野菜の小さなかけらからでも確かに伝わりました!

今回は品目の壁を取り払った無差別級、かつ評価員の主観だけで決めるという非常に潔い形式だった同選手権。来年以降どうなっていくかは未知数だが、どう発展していくか楽しみなイベントだ。






