税込869円とは思えないチャーラーの完成度
ほどなく運ばれてきた「丸福中華そば」は、チャーシュー、メンマ、ねぎがのる昔ながらの中華そばらしい一杯。しかし、レンゲでスープをすすると、その印象は一変する。
煮干しや香味野菜の旨みがじんわりと広がり、醤油の香りが鼻へ抜ける。町中華ほどあっさりしておらず、かといってラーメン専門店のような重厚さもない。その絶妙な中間を狙った味づくりに思わず唸った。
もちっとした食感の自家製麺もスープとの相性がよく、ワンコインだからと価格を言い訳にできる出来をはるかに超えている。
一方の「半チャーハン」は、中華鍋の自動調理器で作られていた。町中華好きの中には、やっぱりチャーハンは料理人が鍋を振ってこそと思う人もいるだろう。私も少し気になったが、その心配はひと口で消えた。
具材は刻みチャーシューとねぎ、玉子というシンプルな構成。米粒はほどよくほぐれ、ラードの香りも控えめで、ラーメンを引き立てる味わいに仕上がっている。チャーハンだけが主張するのではなく、スープをすすり、チャーハンを頬張り、またスープへ戻る。その心地よいリズムが自然と生まれる。
チャーラーは、ラーメンだけでも、チャーハンだけでも完成しない。互いを引き立て合ってこそ、その真価を発揮する。『丸福飯店』は、そのバランスが実によくできていた。



