トヨタにとっても意味のあるクルマ
スポーツ800は大衆スポーツカーというジャンルで健闘。デビュー時の新車価格は59万5000円。これはS600の50万9000より少し高い価格設定だったが、S800の65万3000円よりは安いため、妥当な価格設定だったと思われる。実際に当時は軽自動車も50万円するモデルもあったくらいだ。
この価格設定は「大衆が乗ることがスポーツカー」というコンセプトを反映したものだが、2シータースポーツが飛ぶように売れることはなく、生産期間は4年で後継モデルもなく1969年に絶版となってしまった。その4年間で3131台が販売されたと公表されている。大量生産・大量消費の上に成り立っているトヨタ車では決して多い数字ではないが、非常に印象深く、トヨタにとっても意味のあったクルマだと思われる。
そのスポーツ800の再来、と騒がれたS-FRが2015年に公開され、市販間近と言われながらお蔵入りしている。新型コペンはFRで登場することになっているが、それとコンポーネントを共用してぜひ登場させてもらいたい。
【初代トヨタスポーツ800主要諸元】
全長:3580mm
全幅:1465mm
全高:1175mm
ホイールベース:2000mm
車両重量:580kg
エンジン:790cc、水平対向2気筒OHV
最高出力:45ps/5400rpm
最大トルク:6.8kgm/3800rpm
価格:59万5000円(東京)
※1965年3月発表時のスペック
【豆知識】ホンダSシリーズ
ホンダのSシリーズ第一弾は1962年の全日本自動車ショーで発表された当時の軽自動車規格で設計されたS360。しかし市販されず幻のスポーツカーと呼ばれている。しかしホンダは2012年に復刻プロジェクトを立ち上げ、その復刻させたモデルを2013年の東京モーターショーで公開し話題となった。世界に一台しか存在しない復刻版のS360は現在モビリティリゾートもてぎのホンダコレクションホールに所蔵されている。常時展示されているのか不明のため、気になる人は要問合せ。
市原信幸
1966年、広島県生まれのかに座。この世代の例にもれず小学生の時に池沢早人師(旧ペンネームは池沢さとし)先生の漫画『サーキットの狼』(『週刊少年ジャンプ』に1975~1979年連載)に端を発するスーパーカーブームを経験。ブームが去った後もクルマ濃度は薄まるどころか増すばかり。大学入学時に上京し、新卒で三推社(現講談社ビーシー)に入社。以後、30年近く『ベストカー』の編集に携わる。
写真/TOYOTA、HONDA


















